2023年2月2日に澤田瞳子「夢も定かに」を読了しました
奈良時代の後宮を舞台に、采女3人が奮闘する様が描かれています。
奈良時代の話なのに、現代の働く女性を取り巻く環境と似ているところもあったりして、何だかんだ言って、結局は何も変わらないんだなと思ったり。
その中で懸命に足掻いている3人が愛おしいのですが、解説を読んでびっくり
創作だと思っていたら、続日本紀や萬葉集にモデルとなった人物がいるそうで、もちろん、作品としては創作でしょうが、すごいなと。
ところで、第二話に出てくる河内は「日輪の賦」の河内と思われるのですが、それもそのはず、「日輪の賦」は持統天皇、「夢も定かに」は聖武天皇、持統天皇の曾孫なんですね。
かつては生存中に譲位することが多々あった訳で、天武天皇→(草壁皇子→)文武天皇→聖武天皇の間の天皇の位置付けは中継ぎと思われる。
中継ぎは良きタイミングで本流に譲位するので、在位期間はそう長くなく、「日輪の賦」の時に10歳くらいだった河内が「夢も定かに」で壮年であってもおかしくはない訳です。
作品の繋がりも面白い。