2021年10月、「息子」を観てきました
「母」「父」に続く3部作だそうです。
父ピエールが、息子ニコラ、元妻アンヌ、今妻ソフィア、それぞれの不安や葛藤や何やらを全て一般化して、本質から目を逸らす態度が嫌でした。
あと、苦労して成功したピエールの口癖「大丈夫、俺を信じろ」が悪魔の呪文のようで、嫌でした。
アンヌとニコラを捨てて、ピエールはソフィアと再婚したのですが、ソフィアが「これは彼の問題。あなたには関係ないこと」とピエールに言ったり、
ピエールが父親との葛藤を話した時、ソフィアが「私に言われても困る」とばかりに突き放して、フランスの個人主義って、血も涙もないのか!と思ってしまいました
ニコラがリストカットする理由が「つみびと」と同じだったので、もしかすると、この理由はよく語られるものなんだろうかと思いました。
私は、死にたいとか、または自罰的な理由だと思っていたもので…。
それにしても、前に猟銃に関心を示していたのに、なぜ片付けておかなかったのか
あと、自殺未遂で精神科に入院というのが違和感ありましたが、フランスではそういうものなのかな??
冒頭、ピエールの影から始まって、ちょっと違和感があったのですが、最後もピエールの影で終わっていて、自分の中では腑に落ちました。
この作品はニコラが主人公なのですが、真の主人公はピエールなのではないかと。
途中から時々、ピエールの父親の話題が出てくるようになり、父親にされて嫌だったことを自分がニコラにしていると激しく後悔するようになり、徐々に感情の起伏が激しくなっていったように思います。
ピエールとニコラの関係性と、父親とピエールの関係性。
関係性って連鎖するものだなと、改めて強く思いました(必ずしも虐待だけではないと思うので、関係性)
因みにこの作品、ピエールは岡本健一、ニコラは岡本圭人の親子が演じることが話題でした。
岡本健一はもちろん良かったですが、岡本圭人も意外と良かったです。(演じているところを観たことがないので、ちょっと心配していました)
アンヌは「父」にも出演していた若村麻由美、これまた良かったです。
ソフィアは初めましてと思われる伊勢佳世、こちらも良かったです。出演作品の演出家は私の好きな人が多いので、今後もどこかで会うかも。楽しみです。
サイトより拝借したチラシ画像