ソラニン
見よう見ようと思って手を出せなかった作品。
公開当初はそのうち見ようと思い、しばらくして個人的に長年付き合った人との別れがあった。
その人とは大学の軽音サークルで出会い、自分が社会人になってからもバンドをしていた。
結婚を考えてはいたがいろいろあって別れた。
そう。死んではいないけれど、重なる部分が多すぎて見ることができなかった。
音楽を通じて出会い、同棲しながら相手を支え、時にはプレッシャーを与え、そして別れ。
2人の同棲生活を描いたシーンは本当にリアル。
感情移入できない人も多いだろうけれど、あんなもんです。
あーゆう若い子、たくさんいると思います。
モラトリアムで迷子になってる。
夢を追いたいのにプライドが邪魔してる。
本当に大事なことが分からなくなってる。
種田が家を出る前の寝そべってキスするところ。
これ、監督とこの作品がものすごい相乗効果といいますか、
何でもないシーンなのにものすごくいい。最高にいい。
種田は少し芽衣子と離れることで気持ちの整理をしたつもりだった。
いっそのこと、今までの生活を全部捨ててまったく違う人生を歩んだ方が
音楽に対して諦めがつく。そんなことを考えていたのかもしれない。
だけど仲間がいて芽衣子がいて、今の自分が幸せなんだと気付く。
そして泣きながらバイクを運転しているところ。
なぜ芽衣子に電話をした後泣きながら赤信号を渡ったのか。
自殺か事故か。そーゆうとこじゃなくて、
なぜ泣いているのか。
種田自身も分かっていないように思います。
悲しいとか悔しいとか情けないとか、
そーゆう気持ちが複雑に絡み合っているんだろうけど、
なんでこんなに涙が出るんだ。何が悲しいんだ俺。芽衣子のところに帰るんだ。
そんな種田の声が聞こえてくるような気がしました。
きっと死のうと思って信号を渡ったつもりはないんです。
自分でも理由がわからないくらい突発的な思考によるものなんだと思います。
種田が死んだ後の芽衣子の表情。
宮崎あおいさんは本当にすごいですね。
芽衣子がテレビを壊すシーン。
分かる。分かるよ。
彼の曲を自分が歌い演奏する。
芽衣子は強い。
普通こんなことできない。
ソラニンは種田にとって芽衣子との別れの曲ではなくて
過去の自分自身との別れの曲なのかも。
私もそう思う。
居酒屋で芽衣子がトイレに行ったときに
ビリーと加藤が話すシーンも個人的には最高に好きです。
サンボマスターの人、すごいです。
リアルなんですよね。会話の間というかテンポというか。
間がものすごくいい。
最後のライブのシーンは言わずもがな。
最高に感動してしまった。
大好きな人が死んだ。
芽衣子が声を張り上げるほど種田が死んでしまったことを実感する。
それでも芽衣子は声をあげて歌う。
歌っている間は泣かないんです。歌えなくなるから。
間違わずに最後まで歌うんです。
その声と表情。
宮崎あおいさん素晴らしいですね。
回想シーンでの
「絶対離しちゃだめだよ」
なんだこのセリフかわいすぎる。
この激かわいい回想シーンの後。
2回目のサビ。
これは監督の狙いなのか編集の都合なのか分かりませんが、
ギターの音が2本になるんです。
最初気付かなかった。
2回目見たときに気付いた。
ここからはかなり主観です。
これ、種田が弾いてるんです絶対に。
そう思いたい。
彼は仕事中にもギターを弾きたくて弾きたくてたまらなくなる。
芽衣子が自分の曲を、自分のギターを弾いて歌ってる姿を見たら、
弾かずにはいられないんです。
これに気付いてからまた感動が倍増。
天国で種田がギター弾いてる。
芽衣子と一緒に。
そう思いながら見たらあのシーンがもっともっと最高。
ARATAも「あれ、ギターの音増えてない?」
って気付いてるんじゃね!?
とか思っちゃう。
と、自分はかなりこの映画に引き込まれました。
まるで昔の自分を見てるようで。
この映画を見ることができて本当に良かった。
一人で見てたらたぶん号泣。
今大切な人と見ることができてよかった。
原作の漫画を見ていないのにも関わらずこのハマリっぷり。
とりあえず漫画買いに行こう。