職場の研究関連で、「知的障害者の実行機能」について書かれてある論文を数本読みました。
研究のテーマは、「豊かな学び」です。
実行機能とはそもそも何なのか、ですが、
目標のための計画を立て、目標を達成するために自分の行動や思考、気持ちを調整する脳機能のことです。
ここでいう目標とは、「将来の目標」のような大きなものではなく、日常生活の中で自分のしたい/すべき行動すべてを指します。(例えば、着替えをする・料理をする・お風呂に入る・家から職場まで移動する・効率よく仕事をする…など)
こちらに分かりやすく説明されています。
教育支援においては、できないことへの配慮が中心になりがちですが、できることに基づいて可能性を開拓することも大切である
と研究者(葉石光一 2010)は述べています。
重要な視点ですね。
経験のある側面が知的能力をこえて課題遂行を良くする可能性がある(Henry &MacLean 2002)
という指摘もあることから、我々支援者には、視覚的支援などにより、その子どもにとって分かりやすい環境や活動を用意し、自ら発せられるコミュニケーションをサポートしながら、経験値を上げていくことが求められています。
高等部の学習においては、特にも、社会とのつながりを意識できるような学習をたくさん用意できるように考えていきたいと思います。
<参考>
・知的障害児・者における実行機能の問題とその関連要因
・知的障害者の実行機能と支援実践の課題