なおりんの超・怖い話 vol.147
「病院」
これは、私が18歳の時に体験した出来事です・・。
当時の時分は、埼玉県某所にある病院で研修医として、コードブルーとして、
そして必要とあらば看護婦としても働いていました。
あの頃は週に2回は夜勤があり、夜勤明けは休んで、
次の日に昼出勤というシフトで働いていました。
皆さんもご存知の通り、医療関係というのは開業医でも無い限りは儲かる仕事で無く、
体育会系の現場なので体調を崩す方も多く夜勤が増える事はザラでした。
私自身、デカビタを一日に5本は飲まないと体が持たないという位疲れていました。
あの日も夜勤で相当に疲れていましたが、次の日がお休みだったので、
勤務時間も終了間際になると同僚の本城洋子さんと花札をしていました。
勝負は10番勝負までの取り決めでした。
花札の種類は、本城さんが新潟の方だったので越後花でした。
胴元
「さぁ!はった!はった!」
本城さん
「松!桜!月!桐!親の総取りだぜ!ツいてるぜっ!!」
私
「くそ~~!!青タンだし!!ブタだわ」
本城さん
「よし、あとでポケモン・ダイパで俺のコリンクとお前のフィオネ交換だからな」
私
「えぇ!!それだけは勘弁してください!」
・・・こんな感じで、この日はまるでツキが無く、
10回の内に三光以上の札が揃わなかった為、私のボロ負けでした。
そしてこの勝負で最後に賭けたのは病院の見回りの役割。
私はフィオネの交換をまけてもらい、この役割をまっとうする事になりました。
やはり、いくらベテランといえども深夜の病院の見回りは嫌ですからね。
あれは慣れないものですよ、何かが纏わりつく様なじっとりとした空気、
静寂と暗闇に包まれた大きな建物を歩くのに、持ち歩くのは懐中電灯だけなんですから。
当然、新人のペーペーである私には精神的にも肉体的にも大変な仕事です。
しかし、与えられた職務は何があっても遂行する気持ちでこの職業に就いたので、
私はプロに徹しました。
見回りが始まる頃には深夜3時を回っていたでしょうか。
私は懐中電灯を片手に、そして勇気のカケラを胸にしまい詰所を出ました。
カツ、カツ、カツ・・静まり返った病院内に靴の音だけが響きます。
(あ~!あそこで柳に小野道風を引けば四光だったのになぁっ!)
私は余計な事を考えず、今日の勝負の事だけを考える様にしていました。
カツ、カツ、カツ・・カツカツカツ・・・
歩く速度が自然と速くなりましたよ、何故か。
不気味な事に、この日は満月でしてね。
何か病院に狂気が立ち込めているというか、ただならぬ空気が漂っていたんですよ。
疲れていましたが、この時ばかりは首を竦めて気が入りました。
それで、見回り範囲がちょうど半分を過ぎた辺りでしょうか。
突然、何かただならぬ異様な気配を感じましてね、
度々後ろを振り向いたりしていたのですが、私以外には誰もいませんでした。
でも、気配は凄い感じるんです。
それは、何と言いますか・・四方を覆う様に取り囲まれた感じというか・・
段々と足取りが重くなりまして、
もう1歩も歩けない程になってしまったんですよ。
その内に足がガタガタガタガタと震えてきましてね。
体の底から来る様な寒気を感じたんです。
そうなると動かなくなるのは足だけじゃなく、全身金縛りに遭ったかの様に
動けなくなってしまうんです。
かろうじて頭だけは動くんですけどね、辺りは闇に包まれてるから
怖くて見れやしませんよ。
(う~早く動ける様になってくれ~誰か助けてくれ~)
なんて、ずっと頭の中で念じていました。
その時なんです・・・いきなり私のすぐ横で、
ドン!ドン!とものすごい音が聞こえてきたんです。
それが窓ガラスを何かで叩いた様な音だったので、私は怖かったですが思わず窓の外を見ました。
そして・・・見てしまったんです。
目の所が全部白くて、青ざめた顔をした女が「開けて~開けて~」と。。
必死の形相で訴えていたんです。
勿論この世の者ではありませんよ、えぇ、何せ15階なんですから。
人が立てる位置では無いんです。
もう、気が付いたら意識を失っていました。
目が覚めたら既に日の光が差し込んでいて、私はベッドの上で寝ていました。
そして解放してくれた先輩にその話をしたら、こんな事を言われました。
「あなたは知らなかっただろうけどね、昔ここで合戦があったのよ。
もう600年以上も前の事だけど・・・その落ち武者の霊よ」
・・・結局、私は彼女の一言でその病院を辞めてしまい、
それから金型職人や電気設備工や明治乳業の壜装班などの仕事を転々とする事になったのです。。
そして今は印刷物の箔押し加工の会社に勤めているんです、えぇ。
どうでしたか?怖かったかな??
そろそろ暑くなる季節、たまには怖い話で涼みましょう♪
ヘ(゚∀゚*)ノ
「病院」
これは、私が18歳の時に体験した出来事です・・。
当時の時分は、埼玉県某所にある病院で研修医として、コードブルーとして、
そして必要とあらば看護婦としても働いていました。
あの頃は週に2回は夜勤があり、夜勤明けは休んで、
次の日に昼出勤というシフトで働いていました。
皆さんもご存知の通り、医療関係というのは開業医でも無い限りは儲かる仕事で無く、
体育会系の現場なので体調を崩す方も多く夜勤が増える事はザラでした。
私自身、デカビタを一日に5本は飲まないと体が持たないという位疲れていました。
あの日も夜勤で相当に疲れていましたが、次の日がお休みだったので、
勤務時間も終了間際になると同僚の本城洋子さんと花札をしていました。
勝負は10番勝負までの取り決めでした。
花札の種類は、本城さんが新潟の方だったので越後花でした。
胴元
「さぁ!はった!はった!」
本城さん
「松!桜!月!桐!親の総取りだぜ!ツいてるぜっ!!」
私
「くそ~~!!青タンだし!!ブタだわ」
本城さん
「よし、あとでポケモン・ダイパで俺のコリンクとお前のフィオネ交換だからな」
私
「えぇ!!それだけは勘弁してください!」
・・・こんな感じで、この日はまるでツキが無く、
10回の内に三光以上の札が揃わなかった為、私のボロ負けでした。
そしてこの勝負で最後に賭けたのは病院の見回りの役割。
私はフィオネの交換をまけてもらい、この役割をまっとうする事になりました。
やはり、いくらベテランといえども深夜の病院の見回りは嫌ですからね。
あれは慣れないものですよ、何かが纏わりつく様なじっとりとした空気、
静寂と暗闇に包まれた大きな建物を歩くのに、持ち歩くのは懐中電灯だけなんですから。
当然、新人のペーペーである私には精神的にも肉体的にも大変な仕事です。
しかし、与えられた職務は何があっても遂行する気持ちでこの職業に就いたので、
私はプロに徹しました。
見回りが始まる頃には深夜3時を回っていたでしょうか。
私は懐中電灯を片手に、そして勇気のカケラを胸にしまい詰所を出ました。
カツ、カツ、カツ・・静まり返った病院内に靴の音だけが響きます。
(あ~!あそこで柳に小野道風を引けば四光だったのになぁっ!)
私は余計な事を考えず、今日の勝負の事だけを考える様にしていました。
カツ、カツ、カツ・・カツカツカツ・・・
歩く速度が自然と速くなりましたよ、何故か。
不気味な事に、この日は満月でしてね。
何か病院に狂気が立ち込めているというか、ただならぬ空気が漂っていたんですよ。
疲れていましたが、この時ばかりは首を竦めて気が入りました。
それで、見回り範囲がちょうど半分を過ぎた辺りでしょうか。
突然、何かただならぬ異様な気配を感じましてね、
度々後ろを振り向いたりしていたのですが、私以外には誰もいませんでした。
でも、気配は凄い感じるんです。
それは、何と言いますか・・四方を覆う様に取り囲まれた感じというか・・
段々と足取りが重くなりまして、
もう1歩も歩けない程になってしまったんですよ。
その内に足がガタガタガタガタと震えてきましてね。
体の底から来る様な寒気を感じたんです。
そうなると動かなくなるのは足だけじゃなく、全身金縛りに遭ったかの様に
動けなくなってしまうんです。
かろうじて頭だけは動くんですけどね、辺りは闇に包まれてるから
怖くて見れやしませんよ。
(う~早く動ける様になってくれ~誰か助けてくれ~)
なんて、ずっと頭の中で念じていました。
その時なんです・・・いきなり私のすぐ横で、
ドン!ドン!とものすごい音が聞こえてきたんです。
それが窓ガラスを何かで叩いた様な音だったので、私は怖かったですが思わず窓の外を見ました。
そして・・・見てしまったんです。
目の所が全部白くて、青ざめた顔をした女が「開けて~開けて~」と。。
必死の形相で訴えていたんです。
勿論この世の者ではありませんよ、えぇ、何せ15階なんですから。
人が立てる位置では無いんです。
もう、気が付いたら意識を失っていました。
目が覚めたら既に日の光が差し込んでいて、私はベッドの上で寝ていました。
そして解放してくれた先輩にその話をしたら、こんな事を言われました。
「あなたは知らなかっただろうけどね、昔ここで合戦があったのよ。
もう600年以上も前の事だけど・・・その落ち武者の霊よ」
・・・結局、私は彼女の一言でその病院を辞めてしまい、
それから金型職人や電気設備工や明治乳業の壜装班などの仕事を転々とする事になったのです。。
そして今は印刷物の箔押し加工の会社に勤めているんです、えぇ。
どうでしたか?怖かったかな??
そろそろ暑くなる季節、たまには怖い話で涼みましょう♪
ヘ(゚∀゚*)ノ