今日は寒い一日でしたね。
冬本番って感じです。
今日僕は近所の商店街で歌を歌ってきました。
この商店街にある珈琲豆の専門店のマスターとたまたま最近知り合いになり、
そのマスターがとてもパワフルで面白い方で
その商店街はちょっぴり寂れた感じがしてしまう商店街なんだけれど、
この商店街でなんとか面白い事をやろうとしていて
その一環として今日はミニコンサートみたいなものを開いたのですが
その姿勢に僕はとても感動しましてね、
参加させていただいたという訳です。

お客さんのメインは近所のおじちゃんやおばちゃんや子供達なんだけど
とても温かい感じでね、
僕はそういった人達に歌って聴かせられる様な歌のレパートリーを持っていない
(何も考えず気持ちを楽にして楽しめる様な歌)のにも関わらず
笑顔で迎えてくれまして、とても嬉しかったのです。
そういった人達を前に歌う時に
僕はいつも自分の弱点に気付くんだよな。
やっぱり老若男女問わず、おじいさんおばあさんから子供まで
楽しんで聴けるような歌が自分には無い事に。
やっぱりどの歌にも癖があって
(それが自分の個性でありアイデンティティでもあるのですが)
どうもなかなか素直に楽しんでもらえる曲っていうのがない。
何故かというと僕は今までそういう事を意識して歌を書いてこなかったからなんだよな。
僕はいつでも自分が自分が自分が!ってタイプの人間で
やっぱり僕が書いて来た歌もそういう自己主張の強いものが多かった気がする。
そこには強いメッセージがあったけれど
誰もが聴いてごく自然にふっと自己投影出来る様な歌は
あんまり無かったんじゃないかな。
今まではそれでいいと思っていたし
こんな事考えもしなかったけれど
30代の僕の目標は
今までの様な歌も書いてゆく反面
誰もがふっと歌の世界に入れて温かい気持ちに慣れる様な
そんな優しい歌を書く事です。
それは歌詞とかメロディーとかだけの問題じゃなくて
ミュージシャンとしてのあり方の問題でもあると思うんだよな。
いやむしろ、そこが一番大事な気がする。

僕は優しさを持ったロッカーになりたい。

昔、子供の頃学校で将来の夢を作文に書く、みたいなホームルームがあったんだけれど
クラスの女の子の一人がみんな「野球選手」「お医者さん」「女優さん」なんて子供らしい
夢を書く中「優しい人になりたい」って書いていて
その事が鮮烈に記憶に残ってるんだよな。
あの子は一体どういう気持ちでそう書いたんだろう?
子供の時はおかしいんじゃないか、と思ったけど
今ならあの子の気持ちがわかるな。
「優しい人になる」のって下手したら「スポーツ選手」や「お医者さん」になる事と
同じくらい難しい事かもしれない。
「優柔不断な人」ないくらでもいるけど
心から「優しい人」だと思える人になんて正直滅多に出会わないよ。
心に優しさを持てるという事は実はもの凄い希有な事なのかもね。

あの子はきっと今頃とても優しいお母さんになってるんだろうな。

僕も遅ればせながら今さらその「優しさ」について考える今日この頃です。
途中から脱線しましたが今日はこの辺で。
お休みなさい。