あこがれの「フルハウス」、あこがれの「La MaMa ODAKA」でした。
青春五月党のお芝居は、3月に北千住で観た「静物画」以来。
というか、この次は2・3年後かな、と勝手に思い込んでいた私にとって、
またとないチャンスでした。
ということで前日、生まれて初めて「南相馬市」に宿をとり、
満を持しての本日でした。
La MaMa ODAKAの駐車場情報がなかったので、
原ノ町駅に駐車して、常磐線で小高に行く予定でした。
が、あいにくの満車。
仕方ないので、上の鹿島駅まで行くも駐車場はなく、
ダメ元で車で小高駅へ。
本当は使ってはいけないのだろうけど(列車利用していないため)、
無料の駅前駐車場が、かなり空いていたので駐車。
時間まで、小高の町歩きをしていました。
背丈よりも高い雑草に覆われている、おそらく住宅だったであろう場所。
生活の息づかいがゼロの住宅。
数年前に仕事でスタディーツアーの引率をしたときにも訪れた小高。
当時よりは、断然人が戻ってきて、活気に溢れた町だった。
たとえば、こんなイベント。
これからも、関心を持ち続けなければ、と感じるひとときでした。
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で、「ある晴れた日に」の感想。
まず、東京の小劇場さながらの小屋が、こんな辺鄙な街にできた、
ということ自体が、まるで奇跡かのようです。
しかも、田舎ならだいたいの家にある倉庫を改装したというから、驚きです。
田んぼしかない田舎でも芝居小屋ができる、という可能性でもあります。
(問題は少なくとも私の家の周りでは、演劇がハイソであるか、小学校の学芸会程度に思われいる、という点)
桐生の有鄰館とか、郡山の富や蔵とか、倉庫と芝居小屋の相性はいいのでは、と勝手に思っています。
閑話休題。
お芝居の話。
柳美里さん脚本の舞台は、2回目です。
そこで感じたことは、私が好きなお芝居がそこにある、ということ。
日常のような日常ではなくて、随所に詩的で。
こんな脚本を書けるようになりたいな、と思った次第です。
ソフトでハードで、あっという間な80分間でした。
ヨガのシーン、あれはきっと役者さんのアドリブがあったんだろうけど、
笑わせていただきました。
「もっとゆっくり食べて……」「ゆっくり……」
そのとき、あの海で感じた強い衝動に駆られました。泣きました。
これも震災の爪痕を巡るスタディーツアーでの話。
浪江の大平山、慰霊碑のある場所から水平線を見たとき、
突然の嗚咽とともに泣き出してしまったときのことを。
その時と全く同じ感情が、たった一言の台詞で蘇ってきたのです。
アフタートークでも少し話題にあがった、「演劇でしたできないこと」。
ストーリーとかあらすじが分かっていても、その場その時にしか見聞きできないこと。
今日もまた、その場その時にしか体験できないことを、体験させていただきました。
だから、舞台って面白い。
どうやら、来年も新作の公演が、この地であるようです。
この次も、絶対訪れたいと思います。
本当にありがとうございました。