読み終わった

 

映画が気になったけど見に行けなかったので読んでみた

 

 

葉真中顕「ロスト・ケア」

映画バージョンの表紙
 

戦後犯罪史に残る凶悪犯に
降された死刑判決。
その報を知ったとき、
正義を信じる検察官・
大友の耳の奧に響く痛ましい叫び
――悔い改めろ! 
介護現場に溢れる悲鳴、
社会システムがもたらす歪み、
善悪の意味……。
現代を生きる誰しもが
逃れられないテーマに、
圧倒的リアリティと緻密な
構成力で迫る! 
全選考委員絶賛のもと放たれた、
日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
 
 
映画は観れずに本を読みました。
なかなか重い内容で
現在の日本の老人状況や介護について
考えさせられる内容でした
そうなるとわかっている中で
そうなっていく…
これからの日本の状況
 

女性一人で子供を育てながら

親の介護に奮闘する毎日

介護しなければならないので

フルで働ける職場は選べない

パートで頑張るが収入も少ない

介護している親は徐々に徘徊や

認知症…

介護しているのに暴言を吐かれ

ついつい親に手をあげてしまう

そんな自分も涙する

介護は肉体労働だけではなく

精神労働でもあると

 

そんな重度の介護を要する親を

抱えた経済的にも家庭的にも不利な

状況の介護者を殺していく「彼」

 

調書をとりながら

「彼」に老人を殺された女性に

犯人が憎いでしょう、辛いでしょう?

と問う裕福な「安全地帯」

にいる性善説検事

 

女性は、実はホッとした…と

これでまともな暮らしが出来る

やっと解放された…

心の底からの本音が聞こえる

 

病院でも、最終的には延命処置を

するかしないか…

チューブにつながれ生きながらえるのは

辛いと、処置を拒むことは出来る

延命処置をしないでみすみす命を

絶つことは殺人にはあたらないのか

 

何よりも人の命の尊さを伝え

なにものよりも命が大事だ!と

言いながら

大量殺人を実行した「彼」を

極刑に処す検事…

それは…殺人と同じではないのか

 

 

現実を知らない人は、安全地帯から
【正しさ】という名の
正義を押し付けてくる

 

 

やまゆり園事件を題材にした

映画【月】

を見たときにと同じような感覚

 

 

ほんじゃ! またっバイバイ