雪夢往来

著者木内昇

新潮社



著者の本を何冊か読んでいたので借りてみた。


大河ドラマべらぼうを観終わった今この本を読めたのはとても良いタイミングだった。

べらぼうで、知った江戸の戯作者達の名前もちろん蔦重の名前も出て来る。この本は初代蔦重が亡くなって2代目が継いだ時代の話。

それでも山東京伝、滝川馬琴、歌麿、北斎の名前は出てくる。

何度もフムフムしながら読んだ。

読み始めは、江戸時代の暮らしの中の言葉がわからなくて途中でネット検索しつつ読んだので中々進まなかった。


しかし、「十二国記」のねずみが出るまで耐えて!なんてそこまで我慢は必要無く、だんだん物語に惹き込まれていった。


主人公は上記に書いた有名な書き手達ではなく、越後の国の商人。

鈴木牧之(ぼくし)

記念館もある実在の人物

「北越雪譜」の著者

編集は山東京伝の弟の山東京山



牧之が、ふと江戸の町の人に越後の姿を伝えたいと思った事から始まる物語。


まさかそれが何十年にもかけての悲願になるとは!


その時々で牧之の相談相手になるのが、当時の有名な書き手だったり版元だったり。

版元の名前も、べらぼうで聞いた名がいくつか出てきて読みやすさに拍車がかかった。


なぜ物語を書くのか、どうやって書くスタイルか、書き手によっての違いが何というか見事に描写されていて、ほーーっと溜め息が出る。


天才を羨むそれなりの書き手

天才を嫌う別の書き手の執拗なまでの「天才誹謗中傷エッセイ」出版とか。


そんな中、何度も出版が頓挫した鈴木牧之の哀しみ挫折、朴訥と続ける事に意味がある人生。


なんて偉そうに何目線で感想!?ですが、

歳をとって身体の不調が起こってきても行動を起こす事にとても元気づけられた。

それから年齢相応の身体を受け入れる事もそれでいいのかなと。


自分もシニアになったから、彼らの迷いながら辿り着いた真摯な生き方に拍手をした。