無事に入院を果たしたトメ(義母)
つかの間の平穏な空気が流れる。
退院する頃にはさらに認知症がすすみ、
記憶をたどり寄せることも
できないだろうと思う。
自力で歩くことが困難になり、
病院では車椅子を使っているし、
そして、かたくなに嫌がっていた
オムツデビューもしたとのこと。
(入院となれば仕方なし)
退院しても、
トメの状態次第では
たぶんもう家には帰ってこないような…
そんな気もする。
(確定ではないのだけど)
いったん、夫がトメの介護から解放され、
自由と快適さを味わってしまったら、
たとえトメが戻ってきたとしても、
また親の認知症と向き合う覚悟は
ないのでは?
ケガや病気みたいに、
良くなって帰ってくるわけではなく、
入院前より悪くなって
帰ってくるわけだからね。
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入院翌日は
トメの部屋の窓を開けて換気した。
春の心地よい風が
トメの部屋の淀んだ空気を
流してくれたが、
長年畳や壁に染み付いた
この部屋の主の匂いは、
換気くらいでは消えなかった。
白髪や皮膚の落屑のような白い粉が
パラパラと落ちる毛布や枕カバー、
シーツなどを洗濯した…![]()
やっぱトメのモノを
素手で触るのは躊躇うもので、
まるで特殊清掃してるかのような
気分になった。
