母が壊れた を書いて ベッドにはいり思い出したこと

 

祖母が動かなくなったときのこと

 

私の祖父母は農家を営んでいて すごく働き者だった

いつ行っても早寝早起きで働いている姿しか見ていなかった

 

80歳を超えた祖父は亡くなる半年くらい前から、少しずつ農作業を減らすようになり

あるとき家で軽い錯乱を起こし、翌日から布団から起きなくなって1か月後に亡くなった

 

亡くなったのは大みそか

田舎なのでお正月の三賀日は亡くなったことを伏せ

四日からお葬式(家で行う)の準備が始まった

 

手伝いに行った家で、祖父は冷たくなって横たわり

元気だった祖母は座敷にちょこんと座っていた

 

子どものころから座ってる祖母はあまり記憶になかった

家を切り盛りするのは祖母

些細なことで祖父と口喧嘩しながら、祖母も自分の畑を楽しんでいたし

年末に祖父のお見舞いにいったときも、よく話し、お茶を淹れてくれていた

 

その祖母が「もう、年寄やから座っとくわ」と言って座敷の端から動かない

穏やかにほほ笑みながら話すのは変わらず、

私は看病で疲れたからかなと思っていたけど

それっきり、祖母が家を切り盛りすることはなくなった

 

祖母はそのあと10年生きてくれていたけれど

社会人になって忙しくなった私は、たまに入所していた施設に訪れることしかしなかった

 

口喧嘩をする相手がいなくなり、祖母の時間はあのとき止まったんだなと

今になってわかる (遅すぎる)

 

私の時計は いつどんなふうに止まるんだろう