ドラゴンズの打線の課題はここ数年決まっている。


あと一本が出ない。

長打がない。


そして、ファンからすると、進塁打、犠打が少ない、できないといった意見も多い。


今シーズンのドラゴンズの主力の顔ぶれと成績を見てみる。


大島 .304 1本 18打点

京田 .245 1本 10打点

高橋 .271 5本 23打点

ビシ .293 10本 39打点

福田 .235 4本 17打点

阿部 .206 4本 13打点

根尾 .174 1本 12打点

木下 .266 6本 24打点

堂上 .260 2本 10打点

三ツ .247 0本 9打点

福留 .227 0本 6打点

高松 .244 0本 2打点

加藤 .250 1本 1打点


3年前に、多くの人が期待したであろう、高橋、京田、福田の3選手は、皆伸び悩んでいる。また、平田に至っては、1軍から姿を消している。

良くも悪くも、変わらずスタメンに名を連ねる、成績も大きく落としていないのが、ベテランの大島と、外国人のビシエドだ。


課題の1つである、あと一本、そして長打がという部分に着目し、2018年と比較すると、やはり痛いのはアルモンテの離脱だろう。

アルモンテは、本塁打こそ、この年15本だったが、打率は.321、OPSも.861だった。


彼の代わりに、日本人が台頭することもなく、代わりに獲得したガーバーも今のところハズレとなっていることは、ドラゴンズの得点力不足の一因と言って間違いないだろう。


話は戻るが、レギュラークラスの日本人が、成長しきれなかった原因については、使い続けることによる、メリット・デメリットをコントロールできなかったのではないだろうか。


人は色んな性格がある。

当然、同じやり方でも、うまくいく人と、いかない人が出てくるだろう。


レギュラーに固定し、使い続けることで、正しい経験値と、自信を持って、さらに成長する場合と、レギュラーに慣れて、またそのポジションを保守的守りにいく場合があるように思う。


また、経験を積むことで養われる、考える力は、野球の身体能力とは別で、その伸び代は個人差があるのだろう。


この辺りを、選手個々に把握して、対処することができなかったように、結果論からは見えてしまう。

もちろん、彼らが大きく飛躍していたら、使い続けた起用法が、賞賛されていたかもしれないのだが。


2018年シーズン、飛躍のきっかけをもらった高橋と福田は、全く違う3年間を歩む。

高橋は与田監督に次世代の主軸と目され、出場機会を求めて守っていたセカンドから、本来のポジションである、サードに戻される。

一方、福田は、高橋のサード起用に押し出される形で、ビシエドとアルモンテのいるファーストとレフトが主戦場となり、出場機会が激減するのだ。

これは、2017年に、前年ショートなポジションを掴みかけた堂上が、ルーキーの京田にほぼ無条件でポジションを奪われたケースに似ている。

やはり、指揮官は、比較的若い選手をきめうちして、ある種自分の起用・育成方針のシンボル的に使いたがるものなのだろう。


そして、京田は、ルーキーイヤーよりも数字を落とした2年目となったわけだが、与田新監督がその後ショートのレギュラーとして選んだのも、やはり京田だった。

京田の打撃スタイルは、大きく改善されず、ついに先日2軍落ちとなった。


与田監督になってから、阿部が開花したり、木下が正捕手へ一歩リードしたり、その使い続ける方針が、成果になっていることも否定しない。

また、ポテンシャルで勝負できる投手と違い、野手は、一軍レベル、エースレベルの投手の球への慣れや、バッターボックスでの目まぐるしく変わる状況に対応する思考力が求められる分、育成に時間がかかるらしい。

選手のメンタルケアに重きおいているように見える与田監督が、やたらめったら若手を一軍で使わないのは、彼らへのバッシングと、それに伴うダメージを考慮したものなのかもしれない。

だが、私は思う。3年で、実質今年から一軍を経験している根尾が.173ならば、石垣も、伊藤も、高松も、それぐらいは打つんじゃないの?と。

ならば、.250未満、出塁率.300未満な中堅、ベテランに替えて彼らを使った方が、良い意味の経験を積ませられるのではないだろうか。


総括


投手に比べ、野手陣は若手の起用に消極的なのは否めない。また、それを抑制するほど中堅・ベテランの成績がいいわけでもないので、ここの起用・采配に批判が集まるのは致し方ないのではないだろうか。


選手の評価基準が、不透明な起用、采配に見える。

側から見てると、.270打てばスタメン取れるんだね、じゃあ、とにかくそこ目指すわ!みたいな雰囲気に見えてます。

個々に、特徴と、チームが勝つために、その人に求めているプレーを目標設定し、たとえ凡打でも、ケースケースでフルスイングできていたり、玉数をかせいでいたり、進塁打が打てたりしていれば、評価されるので、当てにいくバッティングに逃げないように、とか、そういう指導、方針はやってないように感じます。


捕手問題は改善に向かって大きく前進しましたが、外国人依存度、日本人スラッガー育成、中堅選手の飛躍、若手の台頭と、野手の課題はその多くが3年前のままのようだ。