【現役ドラフト】パ・リーグの注目野手10人を紹介 元盗塁王のロッテ・和田康士朗は武器を生かせる環境なら飛躍の可能性も

 

俊足自慢のロッテ・和田。プロ2年目の2021年に盗塁王を獲得するなど通算89盗塁をマークしている 【写真は共同】

 出場機会に恵まれない選手の移籍活性化を狙い、2022年度に初めて実施された現役ドラフト。12月9日に開催予定の第4回現役ドラフトに向け、対象選手の中から今季二軍で好成績を残した選手を中心に紹介するコラムを全4回に分けてお届けする。

※本文は2025年11月27日時点の情報をもとに執筆
※以下、選手の年齢は2025年12月31日時点

 今回はパ・リーグ野手編だ。環境次第では主戦場を一軍に移し、チームに貢献することが期待される選手たちである。昨年度の現役ドラフトで移籍した野手の中では、日本ハム・吉田賢吾がキャリアハイの47試合に出場し、プロ初アーチを含む4本塁打をマークしたが、彼に続くような活躍の可能性を秘める選手たちを紹介したい。

 

【データ提供:データスタジアム】

茶谷 健太(ロッテ/内野手)
 ユーティリティー性が魅力の茶谷健太。今季は前年を下回る43試合の出場にとどまったものの、ショートをメインに内野の全ポジションをこなして失策はわずか2つ。守備面では抜群の安定感が光っている。課題は打撃面だが、23年には79試合に出場して打率.284をマーク。今季も二軍では3割超えの打率を記録するなど、高いポテンシャルを備えていることは間違いない。守備力を生かしてより多くの出場機会を確保できれば、レギュラーとしての活躍も見込めるだろう。

和田 康士朗(ロッテ/外野手)
 盗塁王に輝いた実績を持つ和田康士朗。昨季まで5年連続2ケタ盗塁を達成するなど、通算89盗塁の実績を誇る。今季は一軍での出場は17試合にとどまり、盗塁もゼロと持ち味を発揮できなかったものの、二軍ではチームトップの14盗塁を記録。力強いスイングを見せるバッティングでは、放った48安打のうち10本が長打とパンチ力も魅力だ。ロッテの外野陣には同じ左打ちで俊足巧打タイプの藤原恭大や髙部瑛斗がおり、現状は一軍での出場機会が限られているが、代走起用にとどめておくには惜しい選手である。

岸 潤一郎(西武/外野手)
 強肩を生かした守備とパンチ力のある打撃が売りの岸潤一郎。21年には100試合に出場して9本塁打を記録。24年には一時4番打者を任されるなど、中軸候補としての期待値も高い。今季は4月に左太もも、8月には右太ももを痛めた影響もあり、一軍での出場はわずか10試合。それでも二軍ではOPS.851と好成績をマークしており、9月には8試合の出場で2本塁打を放つなど存在感を示した。西武は今オフ、台湾から林安可、DeNAから桑原将志と外野手を立て続けに補強しており、岸にとって来季は勝負の年となるだろう。万全のコンディションで出番を増やせれば、飛躍的な活躍が見込める存在だ。

伊藤 裕季也(楽天/内野手)
 長打力が魅力の伊藤裕季也。23年は開幕戦で移籍後初アーチを描くなど、自己最多の87試合に出場。一軍では相手先発が左腕のときに多く起用され、24年は左投手に対して打率.275、2本塁打を記録した。今季は持ち味を発揮できなかったものの、二軍では打率.329をマークし、投手の左右に関係なく結果を残している。近年はレフトでの出場が増加するなど、内外野をこなすユーティリティー性も持ち合わせており、スタメン出場の機会がさらに増えれば、真価を発揮する可能性を秘めている。

野口 智哉(オリックス/内野手)
 内外野をこなせるユーティリティー性が武器の野口智哉。2年目の23年には76試合に出場。今季は5月に自身初のサヨナラ弾を放つも、打率.145と安定感を欠き、後半戦は二軍暮らしが続いた。二軍でも打率1割台とバッティングで苦しんだが、安打数を上回る四球数を記録するなど、出塁率.337と選球眼の高さを示している。本職のショートには紅林弘太郎がおり、太田椋の台頭などもあって内野での出番は限定的。外野も陣容が整いつつあり、出場機会を増やすのは容易ではないが、自身の強みを生かせば一軍の戦力として期待できるだろう。

 

右の大砲候補としてドラフト1位でプロ入りしたソフトバンク・井上。ポテンシャルは高い 【写真は共同】

茶野 篤政(オリックス/外野手)
 バットコントロールに定評のある茶野篤政。育成選手として迎えたルーキーイヤーの23年は、開幕前に支配下契約を勝ち取って91試合に出場。順調にキャリアをスタートさせたものの、ここ2年は一軍での出番が減少し、今季はわずか3試合の出場にとどまった。オリックスの外野陣は杉本裕太郎や西川龍馬、中川圭太など一軍実績の豊富な選手がそろっており、今季は廣岡大志や麦谷祐介らも台頭するなど、ポジション争いは熾烈(しれつ)を極める。二軍ではウエスタン・リーグ2位の打率.288、同3位の28盗塁と好成績を収めているだけに、継続的に出場機会が与えられれば一軍に定着する可能性は十分にあるだろう。

細川 凌平(日本ハム/内野手)
 攻守にスピードを生かしたプレーを見せる細川凌平。高卒3年目の23年には60試合に出場するも、以降は一軍での出場機会が減少。今季のクライマックスシリーズでは代走起用こそあったが、レギュラーシーズンでは16試合の出場にとどまっている。二軍では打率.271とまずまずの結果を残しており、チームトップの17盗塁と自慢のスピードも披露した。守備では内外野の全ポジションをこなせるため、チームの戦略の幅を広げられる選手として重宝される存在だ。

淺間 大基(日本ハム/外野手)
 来季12年目を迎える淺間大基。21年に128試合の出場で打率.251をマークするも、近年は若手の台頭やケガの影響で出番が減少。今季は打率1割台と低迷し、一軍出場は39試合にとどまった。とはいえ、二軍では打率.333、OPS.972と圧倒的な成績を残しており、得点圏打率も4割超えと勝負強いバッティングは健在。外野のレギュラー争いは今後もさらなる激化が予想されるが、活躍の場があればまだまだ一軍でも結果を残せるだろう。

井上 朋也(ソフトバンク/内野手)
 二軍では直近5年間で通算23本塁打を放っている井上朋也。今季はいずれもウエスタン・リーグ2位となる102安打、62打点をマーク。ディフェンス面でも故障者の相次いだ外野の守備に挑戦したが、一軍での出場は8試合にとどまり、選手層の厚い野手陣に割って入るだけの存在感を示すには至らなかった。水谷瞬や吉田賢吾が現役ドラフトによって活躍の機会を得たように、井上もきっかけをつかめればブレークするポテンシャルを持っているはずだ。

川村 友斗(ソフトバンク/外野手)
 高い守備力でチームを救う川村友斗。昨季は開幕前に支配下契約を勝ち取り、88試合に出場して打率.268をマーク。今季は主力選手の故障離脱が相次ぎ、レギュラー奪取へチャンスのシーズンであったが、川村自身も右手を骨折するなど15試合の出場にとどまった。その間に同じ左打ち外野手の柳町達がブレークを果たしており、出場機会を増やすには今後さらなるアピールが必要になるだろう。二軍では37試合の出場で打率.271と安定した成績を残しているだけに、一軍では守備固めや代走だけでなく、打席に立つ機会も増やしたいところだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【楽天】「楽天モバイルパーク宮城」から「楽天モバイル 最強パーク宮城」に来季本拠愛称変更

 

楽天モバイルパーク宮城 外観

 楽天は1日、本拠地の愛称を「楽天モバイルパーク宮城」から「楽天モバイル 最強パーク宮城」に変更すると発表した。愛称変更は3年ぶりで、契約期間は26年1月1日から28年12月31日。  楽天野球団は宮城球場の施設命名権(ネーミングライツ)に関して宮城県、楽天グループ株式会社が基本的事項に関して合意し、26年から3年契約を更新する。  球場愛称遍歴は以下の通り。  05年から07年 フルキャストスタジアム宮城  08年1月1日から2月14日 日本製紙クリネックススタジアム  08年2月15日から10年 クリネックススタジアム宮城  11年から13年 日本製紙クリネックススタジアム  14年から16年 楽天Koboスタジアム宮城  17年 Koboパーク宮城  18年から22年 楽天生命パーク宮城  23年 楽天モバイルパーク宮城  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【DeNA】長谷川編成部長に聞く ドラフト「非常に満足」、佐々木麟太郎1位指名は「ふさわしい」と判断

インタビューに応じた横浜DeNAの長谷川編成部長=横須賀市夏島町の球団施設「DOCK」

 今年のプロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)で、横浜DeNAは大学生、社会人を中心に6選手を指名した。今オフから編成トップとなった長谷川竜也編成部長に指名の意図やスカウト戦略について聞いた。 【写真で見る】ドラ1小田や相川新監督  ─ドラフトの総括を。  「非常に満足のいくドラフトだった。あとは彼らがうちに来て輝ける環境づくりができたらいい」  ─外野手の指名はなかった。  「翌年以降のドラフトを含めて考えていて、もう来年の候補リストは大体できている。1年後、2年後も見据え、今年は内野手を指名した方がいいと考えた」  ─1巡目で佐々木麟太郎(スタンフォード大)を1位指名した。  「世の中を騒がせようとか、驚かせようというのはない。何年間も追って、ベイスターズのドラフト1位にふさわしい選手の一人ということで指名させていただいた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロ野球CS制度の見直し検討、早ければ来季にも変更 NPB実行委で議論

 

日本プロ野球機構の旗

日本野球機構(NPB)とプロ野球12球団による実行委員会が1日、東京都内で行われ、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージのアドバンテージ見直しを検討していることが分かった。早ければ来季にも変更する方向で、本格的に議論を進めていく。 現在、6試合4戦先取制で行われているCSファイナルステージは、レギュラーシーズン1位球団にホーム開催権と1勝のアドバンテージが与えられている。しかし、今季のセ・リーグでは、阪神が2位DeNAに13ゲーム差をつけて独走優勝。リーグ優勝の重みなどをめぐり、球界内で制度の見直しを求める声が上がっていたという。 パ・リーグ理事長の楽天・井上智治氏は「ファンの皆さんが納得できる仕組みを作っていこうという方向で議論している」と語った。