【センバツ】健大高崎・石垣いきなり152キロ 甲子園どよめき ケガ明け初登板で5球連続150キロ超

 

<敦賀気比・健大高崎>9回、マウンドに上がった健大高崎・石垣(撮影・岸 良祐)

 ◇第97回選抜高校野球大会第6日 2回戦 健大高崎4―3敦賀気比(2025年3月23日 甲子園) 【写真あり】えっ?!2年生で152キロ?聖地に衝撃…横浜・織田  健大高崎(群馬)のエースで、大会直前に左脇腹を痛めていた石垣元気(3年)が、敦賀気比戦の9回2死一塁の場面で救援登板。今大会初めてマウンドに上がった。  初球150キロ、満員のスタンドがざわめいた。2球目は152キロ。4球続けて150キロ超の直球を投げ込むと、最後も152キロの直球で遊飛に打ち取り、試合を締めた。  石垣は最速158キロを誇るプロ注目の右腕。秋は群馬大会から関東大会まで4試合に先発して26イニングを投げて9失点。防御率2・08と安定していた。  大会前に左脇腹を痛めた影響もあり、今大会は2試合連続でベンチスタート。昨春に続き、センバツ史上4校目を狙うチームは1回戦でも好投した左腕・下重賢慎(3年)がこの日も先発していた。  青柳博文監督は試合後「石垣は今後は先発もありえる。石垣が投げないと優勝は難しい」と見据えた。

 

 

 

 

 

 

【センバツ】花巻東・佐々木監督 低反発バット導入で悩ましい胸中明かす 大谷翔平例に「将来考えると…」

 

<二松学舎大付・花巻東> 3回、花巻東・古城は先制犠飛を放つ(投手・河内)(撮影・大森 寛明)

 ◇第97回選抜高校野球大会第6日 2回戦 花巻東6―3二松学舎大付(2025年3月23日 甲子園) 【写真】第97回選抜高校野球<二松学舎大付・花巻東>二松学舎大付を破り、喜ぶ古城(左)ら花巻東ナイン(撮影・五島 佑一郎)  巨人・古城茂幸内野守備走塁コーチを父に持つ花巻東(岩手)の古城大翔(2年)が「4番・一塁」で先発出場。3回に左翼へ先制犠飛を打ち上げるなど、二松学舎大付(東京)に競り勝った。花巻東は7年ぶりの8強入りを決め、8強一番乗りとなった。  古城は右上腕二頭筋の肉離れにより初戦を欠場。この試合で先発復帰すると2回の第1打席では中前打を放った。3回1死二、三塁の第2打席では先発右腕・河内の高めに浮いた直球を豪快なスイングで打ち上げると、犠飛としては十分な当たりで三塁走者を迎え入れた。さらに2死二塁から5番・赤間が左前へ適時打を放ち、スコアボードに2点を刻んだ。  5回には2死一、二塁から6番高橋が中前適時打。つづく森下の遊撃へのゴロを二松学舎大付の遊撃・入山が二塁へ悪送球して適時失策となり、リードを4点に広げた。  7回には先発右腕・金野が2ランを被弾。さらに2番手左腕・万谷も1失点して1点差に迫られた。  しかし、打線は直後の8回に9番・佐藤が2死二塁から左前へ適時打。この打球を左翼手が後逸する間に打者走者の佐藤も生還して2点を奪って突き放した。  この試合で二松学舎大付の永尾が放った本塁打が今大会初の柵越え本塁打だった。低反発バットが導入された昨年の大会はランニング本塁打1本を含む3本と本塁打が激減したが、出場全校が初戦を終えて柵越え本塁打が出なかったのは1974年の第46回大会以来51年ぶり。金属バット導入の翌75年以降では初めてとなった。  試合後、佐々木洋監督は低反発バット導入後の戦い方について言及。「どっちかというと戦略で勝つチームづくりだったんですけど、やはり甲子園に来てしっかり打てないと勝てないなっていうのもあった。バットが飛ばなくなって、自分自身もブレて、戦術、戦略でやって、昔みたいに機動力野球に戻した方がいいのかなと思うところもあるんですけども、将来のこと考えると日本人がアメリカでもホームラン王取るくらいになってきている。将来の育成のことを考えると、しっかり振らせたい。勝つことと育成と両方できれば、と考えています」と悩ましい胸中を明かした。  低反発バット導入後のトレーニングについては「飛ばなくなったバットだからこそ、体づくりとか食事とか、ウエートトレーニングにこだわっています」と説明した。

 

 

 

 

 

【センバツ】日本航空石川が勝利目前で逆転負け 中村監督「荒波の中でやっているようだった」

 

日本航空石川の中村隆監督

 第97回選抜高校野球大会第6日(23日)第1試合で、2年連続4度目出場の日本航空石川が10年ぶり7度目出場の東海大札幌(北海道)に6―7と逆転負け。2年連続で初戦敗退となり、ベスト8入りした2018年以来の白星とはならなかった。  序盤は点の取り合いとなったが、5回以降は両チームとも無得点。そこから5―5の8回に試合が動き一死二、三塁から北川(2年)の三ゴロで三走者・高橋(3年)が本塁へ突入すると、相手の失策を誘って生還し、1点を勝ち越した。  しかし、5回途中から2番手で登板し好投を続けていた長井(3年)が9回につかまった。二死一、二塁と勝利まであと1アウトに迫ったが、ここから連続適時打を浴びて2点を奪われ、試合をひっくり返された。長井は「抑えきれずに悔しいです。気持ちが先走って冷静になれなかった。自分の弱さだと思う」とがっくり。  中村隆監督(40)は「予想していない流れ。落ち着くまでバタバタしてしまった。荒波の中で試合をやっているような感じだった」と険しい表情で話した。  地元は昨年元日に能登半島地震、9月には記録的な豪雨災害に見舞われた。被災地に勝利を届けられず、主将の及川(3年)は「たくさんの人が応援してくださっていたのに勝てなかったことは申し訳なく思います。自分たちはきっちりした野球(がウリ)。そこに粗さが出ると、こういう舞台では勝てない。この経験を忘れず、夏に向かってやっていきたい」と前を見据えた。