報徳学園 9回2死から盗塁成功にどよめき アウトなら試合終了の瀬戸際「しびれた」「度胸すごい」の声

 

センバツ高校野球11日目<高崎健康福祉大高崎・報徳学園>9回2死一塁、二盗を決める報徳学園・西川(撮影・北條 貴史)

 ◇第96回選抜高校野球大会第11日 決勝 報徳学園2-3高崎健康福祉大高崎(2024年3月31日 甲子園) 【写真】決死のヘッスラ!!報徳学園・代走西川の盗塁、別カット  決勝が行われ、前年準優勝の報徳学園(兵庫)は2-3で高崎健康福祉大高崎(群馬)に敗れ、2年連続の準優勝で春を終えた。  初回、2死一、二塁から5番・安井康起外野手(3年)が、健大高崎先発で最速150キロ右腕・石垣元気投手(2年)の投じた高めの直球をフルスイング。右翼線適時二塁打とした。相手の送球が乱れる間に2点目も加えた。  報徳学園は準々決勝の大阪桐蔭戦で1失点完投した今朝丸裕喜投手(3年)が先発。初回に同点に追いつかれ、3回には勝ち越しを許す展開となった。  再三の好守でバックももり立て、4回以降は失点を防いだが、リードを奪えなかった。  それでも9回には勇気ある走塁に場内がどよめいた。1点を追う9回2死。9番の代打・貞岡が四球で出塁すると、代走で西川が出場。次打者・橋本の2球目で猛然と二塁へ駆け込み、ヘッドスライディングで二盗を決めた。アウトになれば試合終了の瀬戸際、イチかバチかの大ギャンブルを成功させた。大角監督は試合後「(西川は)グリーンライト」と盗塁については本人の判断に任せていたとし、「3球目までにいけと。アウトになったら俺の責任」と伝えていたことを明かした。  ネット上でも「負けている場面の代走で2アウトから盗塁決めるのは並大抵じゃできないよ」「あの場面での盗塁痺れたなぁ」「度胸がすごい」「恐れ入った」「鳥肌モノでした」などとコメントが相次いだ。

 

 

 

 

 

 

報徳学園・今朝丸裕喜が涙 「悔しいの一言…」 センバツ

 

報徳学園の今朝丸裕喜=阪神甲子園球場で2024年3月31日、三浦研吾撮影

 第96回選抜高校野球大会は最終日の31日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で決勝があり、報徳学園(兵庫)は健大高崎(群馬)に2―3で競り負け、2年連続の準優勝となった。 【写真まとめ】センバツ2024 記者が選んだベストナイン  決勝で先発し、8回3失点だった報徳学園の今朝丸裕喜投手は「悔しいの一言」と振り返った。  今朝丸投手の試合後の主なコメントは次の通り。  ◇決勝、すばらしい景色  ◇報徳学園・今朝丸裕喜  決勝はすばらしい景色だった。(敗れて)悔しいの一言。(初回に2点を先行し)力んでしまった。立ち上がりが悪く、これからの課題にしていきたい。夏にまた戻ってくる。  (三回1死三塁から勝ち越し打を浴びた)ボール的にはよかったが、コースが甘かった。1球の重みというか、その1球で(試合が)変わるので。(ピンチでの)1球をもっと大事にしていきたい。(相手打線に)ストレートをはじかれるところが結構あった。対策されていたと思う。  (試合後にアルプス席にあいさつし)自分が点を取られて負けてしまった。優勝できなかったのが一番強く、涙が出た。  (大会を振り返って)大舞台でピンチを背負うことはあったが、ピンチをしのいでこそメンタルが強くなった。点を取られないことを意識していたが点を取られ、そこが一番の反省点。  (大会を通じて守備陣の好守が目立った)後ろにはいい守備がいっぱいいるので、信じて投げていた。守備は日本一だと思う。  (夏に向けて)この冬に取り組んできた体重(増加)をまだまだ上げていきたい。まだフォームの安定感は完璧ではない。修正して夏に挑みたい。

 

 

 

 

 

 

【センバツ】健大高崎の左腕・佐藤が〝無双〟の22イニング無失点フィニッシュ「指の状態がよければ先発していた」

 

健大高崎の左腕・佐藤は22イニング無失点でフィニッシュ。ナインはマウンドに駆け寄り喜びを爆発させた

 第96回選抜高校野球大会で報徳学園(兵庫)を下した健大高崎群馬)のエース・佐藤(2年)が5試合を22イニング無失点の快投で締めくくった。3―2とリードで迎えた9回、先発の石垣(2年)に代わってマウンドへ。山梨学院との準々決勝で左手中指の血マメがつぶれ、準決勝からリリーフに回ったが、最後も無失点に抑え、歓喜の輪の中心で喜びを爆発させた。 「瞬間は実感がなくて、数秒後にみんなが笑顔で走ってきた。自分なりにいい投球ができたと思う。走者を出しても常に平常心で投げれた」と振り返った。先発の石垣が8回を6安打2失点の力投。甲子園で150キロをマークした同級生右腕が自分を成長させてくれる存在でもある。「指の状態がよければ先発していたので悔しい気持ちもあった。でも石垣がダブルエースとしていい投球をしてくれたのでよかった。石垣はずっと甲子園で150キロ出すと言っていた。達成する力はすごい。自分も出したいと思っていたけど、まずは試合を作ること」と気を引き締めて臨んだ。  無失点で頂点まで駆け上がった左腕は「夏の甲子園に何年も出れていない。まずは出ることを目標に準備して優勝できるよう頑張りたい」と先を見据えた。