また無冠…審判に不満漏らしたメッシ、代表続行には「手を貸す必要があれば…」

7/3(水) 13:54配信

ゲキサカ

 アルゼンチン代表コパ・アメリカ準決勝でブラジル代表に0-2で敗れ、大会から姿を消した。またも代表のタイトルを逃したFWリオネル・メッシはブラジル戦の判定に不満を漏らした。スペイン『マルカ』が伝えている。

 際どいシーンにVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は用いられず、メッシは「確認されなかった2つのPKがあったと思う」と訴えた。

「審判たちはコパ・アメリカででたらめなデータ収集に疲れ、VARを介入しなかった。信じられない。僕は南米サッカー連盟が何かをしてくれることを願っているし、ブラジルがすべてを管理しているとは思っていないが、非常に複雑だ」

 この試合ではメッシも献身的な守備も見せたが、惜しくも準決勝敗退となった。

 試合後、チームメイトへの感謝を語ったメッシは「結果を越えてタスクをこなすことを今日は証明した。素晴らしい試合ができたと思うし、大きな努力をした。僕たちも彼らに劣っていなかったと思う」と言及。「手を貸す必要があればそうするつもりだ。このグループはとても良かったよ」と述べ、代表続行の意思を口にした。

 

 

サッカーJ1鹿島・安部にバルセロナからオファー 今夏にも移籍

7/3(水) 15:24配信

毎日新聞

 サッカー日本代表でJ1鹿島のMF安部裕葵(20)が、スペイン1部リーグの名門バルセロナから獲得オファーを受けたことが3日、明らかになった。早ければ今夏にも移籍が実現し、3部リーグ相当のBチームでプレーする見込みという。

 安部は広島・瀬戸内高から2017年に鹿島入りし、ドリブルを武器にJ1通算48試合で4得点。今年6月の南米選手権のチリ戦で代表デビューし、来年の東京五輪でも活躍が期待される。

 バルセロナはスペイン1部で26度、欧州チャンピオンズリーグ(CL)で5度優勝している。レアル・マドリード(スペイン)に移籍の日本代表MF久保建英(18)が、かつて下部組織に所属していた。【黒川優】

 

 

ブラジル代表、ダニエウ・アウベスが持つ2つの優位性。勝負を分けたベテランの個の力【コパ・アメリカ】

7/3(水) 12:57配信

フットボールチャンネル

コパ・アメリカ2019南米選手権)準決勝、ブラジル代表対アルゼンチン代表が現地時間2日に行われ、2-0でブラジルが勝利した。準々決勝で無得点に終わり、PK戦での辛勝となったが、この日は2得点をあげて終始、試合を支配。この試合で試合を優位に進めることができたのは、ダニエウ・アウベスの存在が大きかったといえるだろう。(文・加藤健一)

【画像】決勝トーナメント表 コパ・アメリカ2019

●ダニエウ・アウベスが作り出した「優位性」

 サッカーにおける優位性には3つの種類に分けられるという。最もわかりやすいのは量的優位で、局面での3対2など、数が上回っていることを指す。残りは位置的優位と質的優位で、前者はポジションによって優位性を作り出すことで、後者は選手の特性によって優位性をもたらすことである。

 サッカーは11人対11人で行われるスポーツである。なので、全体で見れば量的優位とはならない。となると、残りの2つをいかに生み出せるかとなるが、この試合で優位性を生み出していたのは右SBダニエウ・アウベスだった。

 全盛期のダニエウ・アウベスのプレーと言えば、右サイドのタッチライン際の高い位置にポジションを取り、高い技術とスピードで多くのチャンスを作るといったものだろう。バルセロナ在籍時は、この日対戦したアルゼンチンのメッシと右サイドでコンビを組み、多くのゴールをクラブにもたらしてきた。

 しかし、この試合でのダニエウ・アウベスの仕事場はタッチライン際ではなく、「右ハーフスペース」だった。

 準々決勝と同じ4-3-1-2の布陣で臨んだアルゼンチン代表は、左インサイドハーフに2戦連続でマルコス・アクーニャを起用。やや内側にポジションを取るダニエウ・アウベスとアクーニャがアルゼンチン陣内では完全にマッチアップする状況となった。

 アルゼンチンは、右サイドから攻めるブラジルの攻撃に手を焼いた。ブラジルがアタッキングサードに侵入した52.1%は右サイドだったというデータがそれを物語っている。この日のブラジルの攻撃は、右サイドを起点として行われていた。

●先制点をもたらしたダニエウ・アウベスの技術

 試合が動いたのは19分、ダニエウ・アウベスが相手を引き付けて右サイドのロベルト・フィルミーノに展開すると、ダイレクトで出したグラウンダーのクロスがゴール前のガブリエリル・ジェズスへ。フリーで受けたジェズスがゴールへと流し込み、ブラジルは貴重な先制点をあげた。

 この場面で起点となったのはダニエウ・アウベス。浮き球を華麗なタッチで触ってアクーニャをかわすと、中盤の底から寄せてきたレアンドロ・パラデスを切り返しで突破。左SBのニコラス・タグリアフィコが間合いを詰めたことで、フリーの状態のフィルミーノにパスを送っている。フィルミーノにCBニコラス・オタメンディが対応せざるを得なくなり、空いたゴール前のスペースにジェズスが入り込んだ。

 この得点シーンに関わったブラジルの選手は結果的におとりになったコウチーニョを含めて4人。対するアルゼンチンは4人のDFと3人のMFが対応している。4対7で数的には不利だったブラジルが、ダニエウ・アウベスの技術と判断によってフリーの選手を連鎖的に作り出したといえる。

 ブラジルは後半開始からエベルトンに代えてウィリアンを投入。後半開始時は左に入っていたが、その後は右に入り、ジェズスとポジションを入れ替えている。本来はストライカーのジェズスではなく、ウインガーのウィリアンがダニエウ・アウベスの前にくることによって、後半はダニエウ・アウベスがよりインサイドのポジションを取りやすくなった。

●アクシデントを乗り切ったブラジル

 1点をリードしたブラジルは、後半にアクシデントに見舞われる。ここまで4試合フル出場してきたマルキーニョスがピッチに座り込んでしまった。マルキーニョスは一旦ピッチサイドにはけて、ベンチではベテランのミランダが準備を進めていた。

 プレー続行不可能かと思われたマルキーニョスだったが、一度はピッチに戻り決死のディフェンスを見せる。しかし、プレーが途切れたところでマルキーニョスは退き、ミランダがピッチに入った。

 おそらくマルキーニョスは傷んだ時点でプレーができないとわかっていただろう。それでも10人になったブラジルを何とかしようとピッチに戻った責任感は素晴らしいものだった。

 試合の大勢が決したのは71分。ルーズボールを中盤で拾ったジェズスが、敵陣へとドリブルで突破。最後はゴール前のフィルミーノにボールを預けると、フィルミーノが冷静にゴールへと流し込んだ。

 ブラジルは80分にジェズスに代えてアランを投入。中盤を3枚にして、守りを固めたが、直後にアクシデントに見舞われる。後半開始から入っていたウィリアンがもも裏をおさえてピッチに倒れ込んでしまった。

 交代枠を使い切っていたブラジルはウィリアンを下げることができず。ダッシュすることができないウィリアンをピッチに残しながら、ブラジルはアルゼンチンの攻撃をしのぎ切った。

 4大会ぶりの決勝進出を決めたブラジル。ジェズス、エベルトン、アルトゥールといった20代前半の選手が多くメンバーに入っているブラジルの中で、36歳のダニエウ・アウベスの老獪な個の力が、今大会の最大の山場で、ブラジルに勝利をもたらした。

(文:加藤健一)

【了】