11月6日にみた本作。まだ終演していないため、核心部分については記載を避ける。

 

今回はかなり真面目な内容となる。

 

[1]あらすじ

 

1945年ー海軍宮崎赤江基地。特攻隊員である3人の若者が、怪我を負い出撃できなくなった仲間の原口に遺言を託し、陸上爆撃機「銀河」に乗り込み、敵艦へ特攻した。 しかし、目覚めた彼らがいた場所は、戦後70有余年を過 ぎた現代の日本だった!状況を理解できず、現代を「死後 の世界」と思い込む特攻隊員たち。そして彼らは、原口の 残した子や孫を通じて本人(原口)の元へと導かれていく

 

[2]『数字』としての特攻

 

特攻の❝成果❞は次の通り。

 

①日本軍損害

・航空機:約3500機

・死者:約3900人

 

②連合軍損害

・艦艇:270隻以上

・戦死傷:アメリカ兵のみで約4万6300人(戦死者:約1万2300人、重傷者は約3万6000人)

 

確かに、数字から見れば特攻は合理的だ。

18機の日本側の犠牲で

アメリカは戦闘機を170機以上失い、

2700人が戦死・戦闘不能となるケースもあった

(フィリピン・レイテ沖海戦)

だが、これは数字に過ぎない。

行き過ぎた合理論は命の尊厳を容易く捻じ曲げる。

 

[3]『自由』の衝突のオトシマエが戦争

 

江間茂や香の意見にいらだって

大宮・石井・細野が語る彼らの思いが切ない。

 

たしかに香の「誰かのために犠牲になるなんて・・・」

一理ある。

 

戦争に行く者たちは大なり小なり

『ヒロイズム』で高揚している部分があるのかもしれない。

 

個人にも国にも宗教にも『自由』があり

双方の自由のぶつかり合いでもめ事は起こる。

 

この衝突が国同士・宗教同士なら

その短絡的なオトシマエが戦争

 

少なくとも、国の自由の犠牲になるのは

政治屋連中で無いのだ。