任侠(にんきょう)の一門に生まれるも数奇な運命をたどり、歌舞伎役者の家に引き取られた喜久雄(吉沢亮)は、激動の日々を送る中で歌舞伎役者としての才能を開花させる。一方、彼が引き取られた家の息子・俊介(横浜流星)は名門の跡取りとして歌舞伎役者になることを運命づけられ、幼いころから芸の世界に生きていた。境遇も才能も対照的な二人は、ライバルとして互いに切磋琢磨(せっさたくま)し合いながら芸の道を究めていく。
シネマトゥデイより
当初は観る予定ではなかったのですが、皆さんの評価が高かったために週末にピカデリー新宿にて鑑賞しました。
任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人間ドラマです。
歌舞伎の知識はない僕ですが観て良かったです。3時間という時間をまったく感じないままに鑑賞できました。まずは吉沢亮と横浜流星の歌舞伎も含めた演技に見入ってしまいます。前半にある吉沢亮の「曽根崎心中」…歌舞伎を知らない僕でも感激しました。すごい迫力です。そして歌舞伎シーンが美しい。
歌舞伎の家元で世継ぎとして育つ俊介、任侠の世界に育ちながら、歌舞伎の家元に引き取られ真摯にその演技を学ぶ喜久雄…ふたりの友情とライバル心を描写がたまらないです。微妙な感情の入り混じり合いなんですよね。喜久雄の演技力の凄さに嫉妬心を抱く俊介の感情はわからないでもないですね。これって現実の世界でもあるのかも。でもって血筋の強さで立場が逆転し、ドサ周りをする喜久雄の姿は壮絶です。
この作品ですが、キャストもよく、厳しい父親役の渡辺謙、二人を複雑な想いで見守る母親役を寺島しのぶ、喜久雄に大きな影響を与える歌舞伎界の大御所役を田中泯が絶妙に演じています。喜久雄の子供時代を演じた黒川想矢もよかったですね。
この作品ですが個人的総評は星5つです。
★★★★
喜久雄の生涯を描いた壮絶な大河ドラマを堪能できます。