年末年始を使い「プロレススーパースター列伝秘録」を読みました。1980年代…プロレスが視聴率でも20%代を毎週のように叩き出す時代に週刊少年サンデーで連載されていた「プロレススーパースター列伝」…毎週、楽しみにしていました。ハンセン、ブッチャー、アンドレ、タイガーマスク、ホーガン、ブロディ…ネットのない時代にプロレスラーの素顔を知るのに貪るように読んでいました。そして単行本を買い、また復習する…よい時代です。
その列伝の当時の作成秘話について作画をしていた原田久ニ信氏が回想した作品となります。
これ、面白かったです。何が面白いかというと列伝の原作者はあの「巨人の星」や「あしたのジョー」「タイガーマスク」でお馴染みの梶原一騎なんですが、その原稿が送られてきてから、原田さんが絵に起こしていく様子がリアルに描かれているんです。
原田さんは作画だけを頼まれていただけみたいで、普段は梶原一騎とのコンタクトはなし…そんな中で梶原氏からの聞いたこともないような話を絵に起こすって大変だったんでしょうね。ハンセンがベアバッグでドラム缶を潰したり、ブッチャーがガマ・オテナ師匠のもとで地獄突きの練習をする姿なんて記録にありませんからね。でも僕たち少年は列伝を読んで、本気で信じていました。まあ、こういうのがいいんですよね〜
ネットもなにもない時代…梶原一騎が描く強烈なレスラー像を読み、学校で友人と話題にする。ある意味で幸せな時代だったんでしょうね。80年代のプロレスファンには何とも、そうだったのか〜と感じられる一冊です。