絵本作家の千紗子(杏)は、認知症を患う父・孝蔵(奥田瑛二)を介護するために帰郷する。長年絶縁状態にあった父親との同居にへきえきしていた千紗子は、あるとき事故で記憶を失ってしまった少年(中須翔真)を助け、彼の体に虐待を受けた痕を見つける。千紗子は少年を守ろうと考え、自分が母親だとうそをつき、少年と暮らし始める。千紗子と少年、認知症が進行する孝蔵は次第に心を通わせるようになるが、その幸せな生活に終わりが訪れる。
シネマトゥデイより

杏が主演のヒューマンミステリーをテアトル新宿にて鑑賞してきました。

親の認知症とひょんなことから知ってしまった児童虐待がテーマです。なかなかに深く重い内容です。

自分の親もいつ認知症を発症してもおかしくない世代なので色々と考えながら見てしまいました。認知症はそれまでのいい想い出も悪い思い出もなくなってしまう悲しい疾患ですね。認知症の父親役を奥田瑛二が見事に演じていました。

そして、児童虐待。今回は親が自分のこどもにおこなう虐待です。これ、やっぱり虐待を受けてきた親が同じことを自分のこどもにもするのでしょうか?こちらも何だかとても悲しくなります。

こんな親を持ったこどもは親ガチャなんてレベルではなく悲劇ですね。時々、ニュースで児童虐待の話を見ますが、深刻な話だと思います。

この作品、ストーリーがいちいち読めてしまう場面がありますが、それを差し引いてもミステリーとしてよくできた作品だと思います。

それを仕上げているのは主役の杏であり、奥田瑛二、そして子役の中須翔真、あと医師役の酒向芳の演技力です。長野県伊那市の山間に暮らす家族をベースに展開されるストーリー、そしてクライマックスの公判シーン…見入ってしまいました。

この作品ですが個人的総評は星4つ
★★★★☆
冒頭にも記載しましたが、見ながら色々と考えさせられる作品です。