ある民家で老人と介護士の死体が発見され、死亡した介護士と同じ訪問介護センターで働く斯波宗典(松山ケンイチ)が捜査線上に浮かぶ。彼は献身的な介護士として利用者家族からの評判も良かったが、検事の大友秀美(長澤まさみ)は斯波が勤める施設で老人の死亡率が異様に高いことに気付く。そこで何が起きているのか、真相を明らかにすべく奔走する彼女に、斯波は老人たちを殺したのではなく救ったのだと主張する。彼の言説を前に、大友は動揺する。

シネマトゥデイより


長澤まさみと松山ケンイチの話題作「ロストケア」をTOHOシネマズ新宿で鑑賞してきました。老人介護の現場で起こった連続殺人事件を巡り検事が真相に迫るミステリーです。


この作品ですが、介護問題が抱える問題にどストライクで迫っており、内容もさながらに自分に置き換えた場面を考えさせられる作品でした。


この作品で描かれる介護問題って日常で起こっており、何年も認知症を患った親の介護で自身も精神的に病んでしまったという話を身近でも聞いたことがあります。


介護にも貧富の差があり、お金があればそれ相応の介護施設でゆったりと世話を受けれますが、なければ介護ケアセンターのサポートを受けながら自身で介護をしなければなりません。作品では長澤まさみ演じる検察官・大友の親がを高級老人ホームで至れり尽くせりの対応を受ける姿が出てきます。それに対して一般の人たちが受ける現実をリアルに描いています。


劇中で松山ケンイチ演じる斬波が「この世の中は一度穴に落ちると這い上がれなくなる」といった言葉はグサリときます。


演技は松山ケンイチとその親を演じる柄本明の迫真に迫る演技に見入ってしまいます。松山ケンイチの淡々とした中にも強いメッセージを込めた演技、柄本明の痴呆に苦しむ高齢者の演技…凄まじかったです。


この作品ですが個人的総評は星5つです。

★★★★★

非常に重い題材ですが、キャスト、演技力も相まって観て良かった作品でした。