ドキュメンタリーディレクターの由宇子(瀧内公美)は、自身の仕事に確固たる信念を持ち、時には保守的な製作側とぶつかることもいとわなかった。その一方で彼女は、父親の政志(光石研)が経営する塾の手助けをしながら、家族二人で力を合わせて生きてきた。だがある日、政志が思いがけない行動をとったことにより、由宇子の信念を大きく揺るがす事件が起きる。
シネマトゥデイより
ずっと観たかったのですがタイミングが合わず観れなかった『由宇子の天秤』を刈谷日劇で観ることができました。名画座はありがたいですね。
さて、この作品ですがとてもとても考えさせられる作品でした。真実を明らかにしてドキュメンタリーを制作する事を信条として仕事をする由宇子が、いざ自分の家族の不祥事になると罪による影響を恐れ事実を隠そうとする…映画の中のことではありますが自分だったらどうするのだろうと考えながら観てしまいました。
由宇子の選択はタイトル通りどちらがいいのか苦悩しつつ自分の中の天秤がグラグラする…とても強い人ですが事実を隠蔽しようと行動するしぐさに人間らしさを感じました。
主役の由宇子を演じた瀧内公美は、由宇子の仕事でもプライベートでも抱く心の葛藤を上手く表現していました。彼女は最近では映画『アンダードッグ』やドラマ『大豆田とわ子』『緊急取調室』にも出演していましたが実に味のある演技をしますね。しばらく作品をフォローしたくなりました。
他のキャストも特に超有名な方は出演されていませんが父親役の光石研や悩みを抱える少女の父親役の梅田誠弘など実によいキャストでした。
この作品ですが個人的総評は星5つ。
★★★★★
滑り込みでも鑑賞してよかった作品でした。