- 谷本 誠剛, 灰島 かり
- 絵本をひらく―現代絵本の研究
絵本の書評や、紹介の本など何冊か読んだことがありますが、
↑の本は、現代絵本の研究というテーマで書かれた本です。
『研究』ということから、読んだことのある絵本も、深く掘り下げて
絵のデザインのことから、こう描かれた背景、作家の生い立ちまで
探りコメントされている本です。
センダックからリサとガスパールまで、最近の人気絵本まで
あり、とても興味深く読めました。
私が興味あった絵本は、トミー・ウンゲラーの『すてきな三にんぐみ』
赤ずきんちゃん、ブルーノ・ムナーリの『木をかこう』、
『リサとガスパールのたいくつないちにち』、『ポケモンえにっき』
ディック・ブルーナの『うさこちゃんとどうぶつえん』、
レオ・レオー二の『あおくんときいろちゃん』です。
その中でも、赤ずきんを取り上げてみたいと思います。
こちらは↑先日、愛知県刈谷市美術館で観てきた
トロースドルフ絵本美術館の『ペロー童話集』の作品です。
今私たちが手にするような絵本が確立したのは、19世紀半ばの英国なのだそう!
赤ずきんの話が書かれたものとして初めて登場するのは
ペローの童話集『過ぎし昔の物語ならびに教訓』のなかの1編として、
さらにそのほぼ100年後にグリム兄弟が刊行した『子どもと家庭のための童話集』
に収められ、広く世界に知られるようになった。
今日では、世界中で最もよく知られた昔話のひとつだろう。
赤ずきんちゃんは、いろんな絵本作家により再創造されている。
この『絵本をひらく』では、
ツヴェルガー画『あかずきん』と、ガルドン作『あかずきんちゃん』の
比較が載っていて興味深かった。
実は、偶然にもトロースドルフ絵本美術館展で購入した絵本が
ガルドンが描いた『あかずきんちゃん』(ほるぷ出版)だったのです。
現代絵本の研究とあって、少し難しいことが書かれていますが、
ちょうど、赤ずきんちゃんのこと知りたかったのと、
最近の絵本、リサとガスパールのことや、
ミッフィーちゃんのブルーナ・カラーのこと
ピカチュウのキャラクター絵本にまで触れていて
とても興味深く、おもしろかったです。