木 下 「失礼します。捜査一課の木下です。」
山 田 「戸塚西署刑事課強行犯係の山田です。」
木 下 「今、男性の上司と名乗る方が身元確認に来られましたので、竜田川と秋元警部が
会いに行っています。」
山 田 「そうですか。こちらが女性の母親、岡崎友子さんです。」
(友子、深々と頭を下げる。)
木 下 「貴方が、友子さんですか。」
友 子 「はい。」
木 下 「この度は、どうも…。」
友 子 「どうも…。」
木 下 「あ、どうぞお座り下さい。」
(三人、座る。)
木 下 「実は、私共とお嬢さんはちょっとした知り合いでした。」
友 子 「そうなんですか?」
木 下 「はい、私共の行きつけのバーにお嬢さんがよくおいでになりまして。」
友 子 「では、竜田川さんもあの子の事を…。」
木 下 「はい、よくご存知でした。」
友 子 「あの、竜田川さんとお話しさせて頂けませんか?」
木 下 「それは構いませんが、事件に関する事でしたら、この場でお話し下さい。」
友 子 「いえ、個人的な事もありますので…。」
木 下 「山田さん、宜しいですか?」
山 田 「は、はい。」
木 下 「申し訳ありません。ちょっと失礼します。」
(木下、電話を掛けに行く。)
○駐車場 (竜田川と秋元、橘を見送りに出る。)
竜田川 「橘さん、どうも有難うございました。」
橘 「いいえ、彼の事で知りたい事があればいつでも聞いて下さい。」
竜田川 「そう言って頂けると助かります。」
橘 「では。」
(橘、車に乗ろうとする。)
竜田川 「あ、すいません。最後に一つだけ宜しいですか?」
橘 「何でしょう。」
竜田川 「確認ですが、被害者の女性とは面識がお有りですか?」
橘 「面識?…無いですね。」
竜田川 「この女性なんですが、いかがですか?」
(竜田川、写真を見せる。)
橘 「さあ…、面識は無いですね。知りません。」
竜田川 「本当ですか?」
橘 「彼女とは部署も違えば、フロアも違うと思います。社内でも意識していなければ
気付かないと思います。一度会社の方に来て下さい。私がご案内します。」
竜田川 「そうですか。…では必ず伺いますので宜しくお願いします。」
橘 「さて、もう宜しいですか?」
竜田川 「はい。どうも有難うございました。」
(橘、警察を後にする。)
竜田川 「秋元警部。」
秋 元 「はい。」
竜田川 「どう思いますか、あの男。」
秋 元 「どうって…、何か。」
竜田川 「これは私の勘ですが、彼は何かを隠しているように思えるんですが…。」
秋 元 「隠している…。何をですか?」
竜田川 「おそらく、彼は彼女を知っているのではないでしょうか。」
秋 元 「え?でも今、彼女と面識は無いと言ってましたが。」
竜田川 「本当にそうでしょうか。どうも彼の言動が引っ掛かるんですが…。」
秋 元 「はあ…。」
竜田川 「いずれにしても、捜査は始まったばかりです。少しづつ分かって来ますよ。」
(2人、署内に戻ろうとする。)
木 下 「警部。」
(木下と山田、友子を連れて出て来る。)
