🌟このお話は、おかかと旦那マーシーとの〝出会いのお話〟の【後編】です🌟
🌟【前編】をまだ見ていない方は是非
♡第9話、マーシーはトランクス?前編♡
からご覧ください🌟
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後の旦那になる、マーシーの第一印象は、ある意味とても悪く
『この人だけは、絶対に、関わらない方が良い!!』という・・・
警戒心に満ち満ちたモノでした
そのくらい、おかかが17年生きて来て、出会った人間の中で、マーシーは、異質な存在だったのです
容姿も雰囲気も住む世界も、おかかとは全く違う、本来出会うはずのない異世界の住民が、たまたま何かのバグで出会ってしまった!・・・・って感じの
漫画の世界の出来事の様に感じていました
なので、この時のおかかに
「あなたは近い未来にこの人と結婚して、男の子を四人産むんだよ!』
と、教えてあげても、絶対に、絶対に、ぜぇぇぇぇったいに、信じないと思います
付き合うなんて事は疎か、二度と同じ空間に居座る事も無ければ、友達になる事も、連絡を取り合う事も無いと思っていました
―――――それなのに、出会った日から1ヶ月以上経ったある日、突然マーシーからメールが届きました
≪一人暮らしって、何が必要?≫
という、突拍子もないメールにおかかは
『送り先を間違えたのかな?』と、思いつつも
一人暮らし歴7ヶ月で実感した〝あること〟が、脳内に閃き
それを言いたい衝動にかられてしまい、勢いでメールを返信してしまいました
≪バスタオルは、多目にあったほうがいい≫
と、送ると
≪なるほど。サンキュー≫
と、すぐに返事が来ました
おかかが
『ん?私、一人暮らししてるって話、したっけ?』
『いや、話してたとしても、よく覚えてたなぁ・・・』
『この人も、一人暮らし始めるのかなぁ?』
と、色々疑問に思っていると
≪どっか遊びに行く?≫
と、また突拍子もない誘いのメールが届き、おかかはプチパニック!
と、わたわたしていると
≪どっか、行きたいところ、無いの?≫
と、続けてメールが届き
おかかはまた『めっちゃ行きたいところあった!』と、脳内にひらめいてしまい
またまた勢いでメールを返してしまいました
≪海に、行きたい!!≫
おかかは岡山県から、名古屋に引っ越してきてから7ヶ月、ずっと海を見ていませんでした
岡山県に住んでる時も、三重県に住んでる時も、海は身近にあり、おかかは、海をぼーーーーっと眺めるのが好きでした
だからと言って、名古屋に来てから、海を恋しいと思った事は無かったのに
「どこか、行きたいところないの?」と聞かれて、瞬時に脳内で
『海に、行きたい!』
という気持ちが出て来たのです
≪海ね。了解。じゃ日曜日に迎えに行く。何時?≫
と、マーシーから返信が来た時に初めて
『やばい・・・。一緒に海に行くことになってしまった・・・・・大丈夫か?私・・・・日曜日・・・・予定があるって断ろうかな・・・』
と、焦り始めました
―――――しかし
『でも・・・・海・・・・行きたいな・・・・』
〝海に行きたい〟と言葉にしたら、どんどんどんどん、海が恋しくなってきました
名古屋に来てからというもの、毎日、毎日、仕事して、家に帰ったら家事をして寝る!
それなりに遊んでくれるお友達もいたし、充実はしていたけれども
『そうか、海が不足していたのか・・・・!』
と、まるで海で育ったかのような思考に・・・・
『私は、海に行きたいから、誘いに乗るだけ・・・!』
『決してこの人の、誘いだから行くわけではない・・・!』
『大丈夫。海に行くだけ・・・海に行くだけ・・・・!』
と、何度も唱えましたが
・・・やはり、マーシーに対する警戒心と、あのイケメンを前にして、術中に絶対にハマらないという自信がなく・・・・
おかかは〝あなたと会うことに、なんの感情の起伏もありませんけど〟的な強気な態度を示しておこうと思い
≪その日は観たいテレビ番組があるので、午後2時以降なら行けます≫
と、なんとも可愛げのないお返事をしました
そしてやってきた日曜日
なんとその日は、朝から土砂降りの雨で、とてもじゃないけど海に行けるような状況ではありませんでした!
『なんだ・・・・海、いけないじゃん・・・・』
と、朝から落ち込むおかか
そこにマーシーからメールが届きました
≪水族館、行く?≫
おかかは、今日の約束自体無くなると思っていたので、少し驚き、そして
『え?水族館!?行きたい!!』
と、急に飛び出した〝水族館〟というワードに、めちゃくちゃ心が躍りました!
おかかは、名古屋に水族館がある事も知らなかったし、水族館なんて、子供の時に広島の宮島水族館と、三重の鳥羽水族館に行った事があるくらいで、その時の記憶もほぼありません
なので突然〝今日、水族館に行く!〟という状況になり、おかかは一気に、遠足の日の小学生の様な心境になりました
わくわくした心を抱えながらも
『でも、これは、水族館にわくわくしているのであって、マーシーとのお出かけに、わくわくしてると勘違いされない様にしなくては!』
と、思い
おかかは、白いTシャツに黒のスキニーパンツ・・・・という、一切可愛げの無い服に身を包み
キャンパス地のトートバッグを手に、ビニール傘をさして、待ち合わせ場所にしていた、おかかのマンションの前に立ちました
≪白い車で、行くからね≫
と、事前にメールで知らされていたので
『白い車・・・白い車・・・・』と、待っていたら
想像の3倍くらいの大きさの、白い車、が、おかかの目の前にとまり
そして、ウィ―――ンと、窓が開き
「おつかれー。久しぶりー」
と、サラサラヘアをセンター分けにした、バチくそなイケメンが顔を出しました
その時、おかかはおそらく微動だにせず、立ち尽くしていましたが
おかかの脳内では、反対車線の歩道まで、おかかの鼻血が噴射されていました
『は・は・は・はぁぁ!?』
『何で・・・・何で・・・・・トランクスヘアぁぁぁぁぁぁ!?』
約、一か月ぶりに再会したマーシーが、まさかのトランクスヘアで登場し
その姿は、今まで出会ったどんなトランクスっぽい人よりも、ずば抜けてトランクスで
初めて会った日の、冗談みたいにチャラいイメージや危険な雰囲気を、どこかに置いて来ているようでした
『うぇぇぇぇぇぇぇぇ!!なんてこったぁぁぁぁぁぁ――――!!』
幼い頃から、トランクスに絶対の信頼を置いているおかかは、マーシーへの警戒心が一瞬でどこかに吹っ飛んで行き
代わりに『マーシー!最高!好き!!』と、脳内のマーシーが、危険人物から、今で言う〝推し〟に書き換えられました
『マーシーは、トランクス・・・マーシーはいい人・・・!!』
この瞬間、この〝お出かけ〟はおかかの中で〝デート〟になり
心臓をバックンバックンいわせながら、おかかは助手席に乗り込みました
――――こうして、二人で会うのは初めてだというのに、すっかりマーシーに心を開いたおかかは
水族館までの道中、上機嫌で、ベラベラと喋り続けました
何をそんなに、喋る事があったのかと言いますと・・・
おかかはひたすら、岡山の実家の家族の事を話していました
デンジャラスなオカンが居ること
最近、一番下の弟が誕生して、5人兄弟になったこと
3人目のパパが、マーシーと同い年だということ
そしてデンジャラスなオカンによって、起こされた事件の数々を、ハイテンションで一方的に喋るおかかに
マーシーは運転しながらも、ふんふんと相槌をうち、時折こっちを向いて笑ってくれました
その笑顔が、あまりにも優しく、神々しくて
と、心の中で、数々のネタを提供してくれたオカンに感謝しました
―――――そしてたどり着いた、名古屋港水族館
初めての名古屋港水族は、想像していたよりもずっとずっと大きく立派で
こんなに、すごい水族館と、隣にはトランクスみたいなマーシー
『今日と言う日が、こんなに最高なイベントだったなんて・・・』
こんなことなら、午前中から約束をしておけば良かった・・・と、今までの自分を悔やみました
マーシーと巡る水族館は、想像以上に楽しくて
おかかは大きな水槽にはしゃぎ、魚の群れにはしゃぎ、大きなウミガメにはしゃぎ、終始わぁわぁと楽しんでいました
そして、ある水槽の前に来た時
「やぁ。こんにちわ!」
と、挨拶をしに来たかのようにマーシーとおかかの前に、大きな魚がやって来ました
「え、オカン!!」
現れた魚は、おかかのオカンにソックリだったのです
17歳で実家から出て、名古屋で一人暮らしているおかかに
と、オカンが言っているみたいでした
見れば見る程、その魚はオカンに似ていて、可笑しくて可笑しくて、おかかはケタケタと笑っていました
その隣で、マーシーは理解不能と言った顔をしていました
「待って。さっき話してたオカンが、コレに似てるの?」
「うん!めっちゃ似てる!このへんとか、ソックリ!!」
「えぇ・・・・、オカン、魚に似てるの?」
「ううん?魚には似てないよ!!でもこの魚は、オカンにめっちゃ似てる!!」
3回結婚したオカンだから、マーシーは勝手に美人なオカンを想像していたのかもしれません
実際、オカンはそこそこ美人なのですが、色々と特徴的な部分がありまして、ちょっと面白い美人なのです
ここでもマーシーを笑わせることが出来て
と、再び心の中でオカンに感謝しました
―――――こんな感じで、まるでオカンに見守られている様なマーシーとの水族館デートだったのですが
終始、マーシーは落ち着いていて機嫌が良く、おかかが思いつかない様な一言で笑わせてくれたりして
数時間一緒に過ごしただけなのに、当初の〝危険なチャラ男〟というイメージはすっかり消え
〝優しくて、信頼できるお兄さん〟と言って良いほどにまで、マーシーの印象は変わっていました
・・・まぁ、その大部分が〝マーシーのトランクスヘアによる効果〟なのですが・・・
このようにおかかは、マーシーのサラサラ☆トランクスヘアのお陰で、すっかりマーシーを好きになり、そして交際に発展していくわけですが・・・
この数か月後に、これが〝マーシーのトランクス詐欺〟だという事が判明します!
交際開始から数ヶ月経ったある日、美容院に行く予定を立てているマーシーが
「あぁ、今日はストパーあてる時間無いなぁ・・・」
と、言いました
おかかは『ん?』と、疑問に思いました
『マーシーは、スーパーサラサラストレートヘアだから、ストパーなんてあてなくていいんじゃないの?』
『クルクルの方の、パーマをあてる時間が無い!の、間違いかな?』
そしてマーシーに尋ねました
「何で、ストパー当てるの?」
するとマーシーは言いました
「え?だって俺、超天パーだもん!」
おかかは、頭の中がハテナでいっぱいになりました
「う~ん?どうゆう事?・・・またまた!嘘ばっか!」
と、おかかが笑うと
「本当だって!」
と、マーシーは言い続けます
「絶対嘘だ!」
おかかも引き下がらずに言い続けると
「じゃあ、見せてあげるよ!カットだけして帰って来るからな!ビビるなよ♪」
そう言って、ニヤニヤ笑いながらマーシーは美容院に行き・・・・
――――そして帰って来ました
おかかは、嘘の様なマーシーの姿に
笑うしかありませんでした
「ちょっと待って!おかかのトランクスは!?」
「サラサラヘアーは!?」
「この人・・・・誰えぇぇぇぇぇぇ!!!」
最愛のトランクスを失った絶望と、クルクルヘアのマーシーが面白すぎて
泣き笑いするおかかを見て、マーシーも笑っていました
〝トランクスヘアのマーシー〟は、地毛の天パに〝ツイストパーマ〟あてていて
そのツイストパーマに飽きて、ツイストパーマを取るためにストレートパーマをあてた状態だったのに
マーシーは「いや、地毛は天パだよ」と言うタイミングも無く・・・
交際は始まり、この日を迎えたのでした
・・・・・と、いう事で
マーシーは、全然、トランクスでも、サラサラでも、センター分けでもありませんが
トランクス詐欺のお陰で、急速にマイナスイメージが取り払われ
交際し、結婚できたので、良かったです☆
それから、お話の大部分においてマーシーの事を〝神々しい〟だの〝イケメン〟だの書いておりますが
至って・・・普通です!(笑)
17歳の頃のおかかには、それはそれは別次元の生命体のように美しく見えていましたが・・・
親しくなってみると、至って普通の、ちょっとビジュが良い、その辺に居る男の子でした
そして今、思い返してみると
出会った時、マーシーが物凄く眩しく輝いて見えたのは
もしかしたら、見えない何かの力が
「おぉーい!コイツだぞ~!!分かるか~!?見逃しちゃダメよ~!!」
と、分かり易く教えてくれていたのかもしれません☆
●ぼちぼちおかかの日本一出来損ないのおっぱい●
🌟第10話🌟
マーシーはトランクス?後編
おわり♡
動画バージョンも是非♡👇