男子テニスと 女子テニスの現実 | テニスな仕事 - Tennis Around the World

男子テニスと 女子テニスの現実

今年からWTAが女子にも高額賞金ということで、女子ツアーの賞金が倍増した。

このマイアミの大会は、男女ともに 賞金総額3億3千万円。 

テニスの賞金額が男女平等と言うと社会的には良いが、何を根拠に平等であることがいいのか・・・

その疑問を今日は、書いてみよう。

Tennis Round the World - by 川廷尚弘   Tennis Round the World - by 川廷尚弘

TVやメディアの露出度はもちろん、観客数は、その試合の注目度に比例することは言うまでもない。

観客数を比較すると、女子準々決勝の観客は、男子4回戦の1/3以下の観客動員なのに賞金は平等。

(左) 男子4回戦   ロディック vs モンフィス  勝者には 730万円以上 敗者は380万円 

(右) 女子準々決勝 セリーナ vs 李娜     勝者には 1400万円以上 敗者は730万円

ロディックは、このあと、フェデラーに負けたので、賞金は 李娜と同じ730万円。 

この現実を、どう評価にすべきか・・・。


Tennis Round the World - by 川廷尚弘   Tennis Round the World - by 川廷尚弘
ダブルスは、賞金獲得額の配分率が決まっているが、特に女子ダブルスは、準決勝でこの観客数。

選手入場の時点(右)で、1万3000人のスタンド観客数30人。赤いシャツの観客席の誘導係が目立つ。

試合の後半(左)で、300人ぐらいまで増えたが、それでもキビシイ。もちろんTVカメラも動いていない。


それで、女子ダブルスの準決勝の勝ちペアに1160万円(1人580万)、負けペア530万円(1人265万)の賞金。

これも、どう評価すべきだろうか・・・。


アジアでの大会では、自国の選手が勝っている場合も多く、ダブルス人気は幸いにしてある。
特に日本では、ダブルスの人気があり、観客動員の期待もあるが、それは世界的に稀なケース。


杉山愛のダブルスの試合があれば、もちろん日本では、注目マッチとして扱うことになるが、

欧米で自国の女子選手がダブルス準決勝出場しても、観客動員は期待できないという現実。 


世界では女子テニス賞金の向上と、さらに男女同額の賞金という目標達成を成している大会が増えたが、

果たして何を基準に賞金を決めるべきなのか。 それがプロモーションとして整合性のあるものなのか・・・。


いたずらに賞金をあげる行為は大会自体の存続に首を絞めることになるので、疑問に覚えることが多い。


ダブルスの賞金配分額は、これでいいのか? 私はシングルスの評価に対して、ダブルスとは・・・。

ATPはダブルスのプロモーションを試行錯誤でトライしているのは、この問題の対策処置だが、

近い将来、事情に見合った賞金額と配分を、世界規模で検討する日が設けるべきだと思った。