恥ずかしながら、有島文学初めて読みました。
量的には2冊で100ページ余りで軽いですが、内容は重い。
この時代特有の重苦しい空気が全編に渡り流れてはいました。
でもその重苦しさが、単に頽廃的な雰囲気を嘆くばかりのものではないところが良い。
作者の愛情が随所に感じられる作品です。自然や、子どもや、その他あらゆる純粋なものに対する慈愛の心が伝わってきました。
同時に、日常生活では心の奥底にしまってある情熱的な感情をゆさぶり起こされるような感覚も味わいました。
有島武郎という人物の深い人間性がなせる業なのでしょう。
芸術を志す者としては出会ってよかったなと思える一冊。
それにしても昔の人のほうが、育ちは真面目でも思想は奔放だなぁーって思う。なんか、ほとばしるエネルギーの次元が違う。なんでかなぁ。。
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