浅利演出事務所の公演、アンドロマック千穐楽の日に観てきました。
 
千穐楽、だったので、話のあらすじ含め覚え書き?しますが、きっと再演あると思うので、ネタバレ見たくない方は閉じてくださいあせる
初めて観た&1回のみでしたので、いつもに増して私の勘違いとか覚え違いがあったらすみません...
 
まず…日本での初演は1966年、そもそも350年前に書かれた古典劇、と言う事で、難しいのかしら…と思ったんですが、全然そんな事なくて、ちゃんと話分かりました。
 
主要な登場人物は4人、男女2人ずつ、悲しいほど一方通行の恋…っていうほど軽くなくて恋情?愛情と言うには相手のこと考えてなさすぎな気がする、だから恋情?
 
・ギリシャ軍の勇士オレストは、スパルタの王女エルミオーヌを愛している。
・エルミオーヌは、父王が決めた婚約者のトロイ戦争で武勲を立てたピリュスを愛している。
・ピリュスは、トロイ戦争で勝利し戦利品として連れ帰ったトロイの勇将の妃、アンドロマックを愛している。
・アンドロマックは、トロイ戦争で惨殺された夫を愛していて、夫亡きいまも忘れ形見の息子を大切に思いながら夫への貞節を守っている。
 
すごい一方通行。
 
話の内容をすごくざっくり言うと(ここから先、大ネタバレです)
 
アンドロマックは、ピリュスの妻にならないならトロイの忘れ形見の息子を殺すと脅され、最終的に神の前でピリュスの妻になる事を誓い、息子をピリュスの子としたその時に自らの胸に剣を突き立てて息子を守りつつ、自らは夫の元に行く決意を固める。
 
一方、捨てられる形になったエルミオーヌは、自分のものにならないなら…と、自分を愛しているオレストをけしかけてピリュス暗殺を依頼する。
 
エルミオーヌを愛するオレストは、彼女の願いを叶えるべく、アンドロマックとピリュスが夫婦の契りを交わしたその時、部下を使って神殿でピリュスを殺害、あなたの望みを叶えましたとエルミオーヌに報告する。
 
愛するピリュスの死を知ったエルミオーヌは、恋焦がれた女のうわべの言葉を信じるなんて、私の本心は分からなかったのね、とオレストを責め、死んだピリュスを見て自らの命を絶つ…
 
アンドロマックは、誓いを立てた直後にピリュスが死んだので、王妃、権力者となる。
 
エルミオーヌの死を知ったオレストは気がふれたような言動、行動をして倒れる。
 
倒れたオレストを兵士たちが運びだして終幕。
 
ハッピーエンド?アンドロマックは既に大切な人を失っているのでハッピーエンドは無いか。
悲劇?喜劇?
人間の心、恋情、350年経っても変わらない、何なら1000年前の源氏物語もひとの心は変わらないですよね。
 
物語はひたすら言葉で紡がれていき、1幕でちょっと疲れてきたかな(私が)というところで、圧巻のアンドロマックの長台詞で終幕、2幕はあっという間でした。
これが演出の凄さでしょうか。
 
セット転換とかないですが、美しい照明が外の時間の流れを知らせてくれて、この物語がたった1日の話だという事を教えてくれます。
(せめて1週間は欲しいくらい激しい展開)
 
劇場を出たあと、エルミオーヌ、何て勝手な...と思うけど、この中で言うと私は絶対エルミオーヌだわ、とか思ってました。
 
行くか迷ったのですが、観に行って良かったです。