BとLの妄想話です





数日後 俺は作戦を決行することにした


深呼吸で息を整えて携帯で電話をかけた


「…はい 二宮です」


「大野です」


「あっ 何かありました?」


「こないだの依頼のことで…」


相葉ちゃんに教わったとおり昼の一時に和也に電話したらすぐ出てくれた


そして 仕事を口実に和也を夕食に誘うことに成功した


待ち合わせまで時間はたっぷりある


でも 仕事に集中することもできなくて何もしないで時間が過ぎるのを待った


あ 風呂は入ってから行こう 用意をして風呂に入っても和也のことを考えていた





約束より早く待ち合わせ場所に着いたのに

和也はもう来てた


「ごめん 待たせて…」


「いえ 仕事が早く片付いただけです」


予約しておいた洋食レストランの個室に落ち着いて和也にメニューを渡した


ここは俺の友達がオーナーしてる店なんだ


今じゃ予約無しには入れないほどの人気店になってるが昔はこじんまりとした店で値段も安かったからよく来てた


…アイツと一緒に


「ハンバーグでもいいですか?」


「好きなものを選んで?」


内心ガッツポーズした この店より美味しいハンバーグは食べたことないからだ


和也はチーズハンバーグのデミグラスソースと季節のスープを選んだから同じものを2つオーダーした




飲み物も和也に選んでもらって 赤ワインとビールで乾杯した


緊張してた俺はビールを飲み干してしまった


「大野さん お酒強いんですね」


「え?普通だと思うけど…和也は?」


「俺も普通かな?ビールも飲みますし」


「あのさ 敬語やめない?」


親しくなりたいのもあるけど俺は和也の上司でもなんでもないし くつろいでほしかった


「…大野さんって意外と気さくな人だったんだね?」


「意外とって?」


「大野さんの家に相葉さん以外が行ったのは俺が初めてだから」


相葉ちゃんの作戦どおりで何だか怖いけど 

共通の知り合いの相葉ちゃんの話のおかげで

楽しい食事になった





ちゃんと忘れずに仕事の話もして俺にしては

上出来すぎるくらいだ


帰るころには店のオーナーで俺の友達の松潤

と恋人の翔くんも加わった


和也の反応が心配だったけどすぐに打ち解ける様子を見せてくれた


和也のことを松潤と翔くんはニノって呼んで

和也は潤くんと翔さんって呼んでた


俺も下の名前で呼ばれたい…


そんな俺の気持ちを知ってか知らずか二人の

おかげで俺は和也から智と呼ばれるようになった


仕事中は大野さんだけど それでもいい


帰りはタクシーで家の前まで送って


「ごちそうさまでした♪ あんなに美味しい

ハンバーグ初めてでした♪」


また付き合ってくれる?って聞くと ぜひ♪

おやすみなさいって言ってくれた♪


もう和也の顔も全身像も覚えた 目だけ見ることもなくなってた