BとLの妄想話です





恋をしよう たとえばイチゴみたいな


甘くて どこか酸っぱい そんな恋を


「可愛いの飲んでるじゃん」


「は?」


「それ イチゴだろ?」


「それが何?」


この頃の俺はいつも苛立っていた


仕事もプライベートも満足してなかった


行きつけのバーのいつものカウンターで


これまた いつものお酒を飲んでた


声をかけられるのは慣れてるけど どうしてこの人がいるんだ?





仕事は五人組のアイドルグループの一人


華やかな先輩と比べて売れてるとは言えない状況にいる


メンバーと話すこともあるけど打開策までは思いつかなくて…


ここでは考えごとをするために来てるのに


「それ 甘いの?」


「そりゃあイチゴだからね」


「俺も同じの」


そうマスターに声をかけて俺の隣に座る


俺達のリーダー 大野智


連れがいるようには見えない


それ以上にこんな店に来るようには見えない





あまり話さない大野さんとサシ飲みかよ…


「甘っ♪」


「美味っ♪」


とか独り言を言っては楽しんでる


特に俺と話したいわけじゃなさそうだし


帰ってもいいよな


そう思って席を立とうとした俺の膝を押さえられた!


「大野さん?何してるの?」


「お前が帰ろうとしたから」


理由になってなくない?


てか 動けないんだけど?





仕方なく大野さんに聞いてみた


「俺に用があるなら話して」


「ん〜他のとこ行かない?」


で なぜか俺の家に大野さんと二人…


「やっぱり潤はオシャレだなぁ」


「ほら ビール冷蔵庫に入れるから」


「ありがと♪」


ふわっと笑った大野さんにドキッとした


こんなに柔らかく笑う人だったっけ?


思い出せない そもそもあまり顔を見て話すとかしてなかった


それは 他のメンバーとも