幼いころ、私はよく母の手伝いをした。

 

お米を研いだり、お風呂を洗ったり、洗濯物を畳んだり。

 

 

あの頃は面倒だなぁと思いながらやっていたことも

 

実は母から少しずつ、人って生きていくための知恵をつけてもらっていた。

 

夫はきっとそんなこと教えてもらわずに生きてきたんだろう。

 

全て義母が先回りしてなんでもかんでもやってきたんだろう。

 

長男なんだから家事なんてする必要もないと何もやらせなかったのだろう。

 

夫はいまだに洋服が畳めない。

 

世の中に洋服がたためない人がいるなんて雷に打たれたような衝撃を受けた。

 

脱いだものはたためないのでぐしゃっと丸めて置いてあるし

 

きちんと畳んでと言っても畳めない。

 

まず畳み方がわからない様子だった。

 

縫い目と縫い目を合わせてシワにならないように畳むことができない。

 

これはなんだ?w

 

先日も夕飯を食べた後の部屋を見ると夏物の半袖が置いてあった。

 

こちらで保管しろということなのだろうけど全部丸まっていた。

 

こんもりと盛ってある衣類を見てどうも思わずにいられるその思考。

 

やっぱり疑わざる得ない。

 

ずっとずっと前は、できないのではなくやらないのかと勘違いしていた。

 

要は、誰かがやるから自分はやらずにいるのだから、誰もやらなかったら自分でなんとかする力くらいはあると思っていた。

 

でもこの人は違かった。

 

できないんだ。

 

そんな力も知恵もやろうとする気持ちもない。

 

誰もやらなかったらそのままなんだ。

 

あー離れてよかった。

 

こんなのと毎日はもうムリだわ。

 

夫が持ってきたその半袖、義母が洗濯したものだろうから

 

キモチ悪くて今まではこちらで洗濯してから保管してたけど

 

もうそんなのはどうでもいい。

 

その丸まった洋服はそのまま密閉式のプラボックスに入れてしまった。

 

もちろん丸まったままね。