朝、目が覚める。
目が覚めたことにほっとする。
ほの明るくなると、その日、最初の小鳥の囀りが聞こえてくる。
今の時期、最初に鳴くのは、鴬。
その声を聞いて、起き上がる。
私、生きてるのだな。
起きても大丈夫だ。
って、どこかで思っている。
4年前、家人は前ぶれなく、突然脳出血で倒れた。
その日の朝、二人で朝市に野菜を売りに出掛けた。
家人は、いつもの、笑えないオジギャグを連発していた。
朝市が終わって、
野菜もまあまあ売れたし、お昼はどこかで食べて帰ろうか。
と言っていた帰り道に発症した。
家人は救急搬送先の病院で命を繋ぐことができた。
人は、突然逝くことがある。
夜、横になって、目をつむる。
もしかすると、明日、目が覚めないかもしれない。
そんなことを思たりする。
朝、目が覚める。
今日も、家人の介護、畠仕事をする。
庭に出て、空を眺める。
里山からは、お日様が昇る。
そして、生きている、と、小鳥が歌う。