土曜日の午後、前日、蛇を踏みつけそうになった草道を恐る恐る走る。
いなくなっていた。
安全な暖かい所に潜りこんで、悴みきっていたであろう長い身体を丸め、春までもう一度冬眠をしてくれているなら嬉しい。
ほっとして、計21km走る。
往路、無風。
調子よく走れてはいるが、気が重い。
無風、と言うことは、折り返しての復路は向かい風(しかも復路はひたすら北へ向かう)ってことだ。
予想通り、10.5kmで折り返してからが向かい風。
夕刻に近づいて、気温が急激に下がりだしての北風に、手指の感覚がなくなる。
寒さのあまり、鼻水、涙がしきりに出る。
でも、この状況では、走り続けているのが、一番いいのだ。
風が冷たいからって、速度をおとして歩き出しでもしたら、汗をかいている体がガビンガビンに冷えて、ますます状況を悪くする。
一刻も早く家に帰って、暖かいお風呂に入るのだ。
ってえのを、モチベーションにして走り続けるのが最善だ。
帰宅後、熱々の湯船に浸かる至福を夢見て走る。
もう一つ、セッセと走って早く家に帰りたくなるモチベーションの仕掛け。
走りに出る前に、山菜おこわを炊飯器でタイマーセットしておいたんだよね。
帰ったら、お風呂と山菜おこわだもんね。
悴んだ手で鼻水と涙拭いながら、それを思うと、えへへって笑えてしまう。
復路、信号機の赤以外は速度を落とさずに走る。
2時間6分12秒。