昨日水漏れしたラジエターを修理しました


昨日の FISCO スポーツ走行で発生したラジエターの水漏れ修理です。

簡単なのはラドウェルドとかのストップリーク剤
しかしこれは冷却効率やポンプ周りの悪影響とかが心配だし、そもそも応急処置的な物なので本処置にはならない。

次はエポキシ接着剤
これも微妙ですが現場処置レベルですね。
一見、恒久処置になりえそうですがアルミの熱収縮やレーサーの振動等でそのうち同じ箇所から水漏れしてくる例が多いです。
この辺は接着剤の質を選ぶ事で回避できる問題ではあると思いますが、どれなら大丈夫と言える自信がありません。
個人的に思っているところとしては、メタルロックか JB Weld なら良いんじゃ無いかな?って感じです。
昔 NSR250R のラジエターで水漏れした時にレーシングショップに修理に出したら、デブコンFで修理でした。
溶接出来ない、これしか修理方法が無いって話でした。


そして今回。
調べてみると最も信頼性高い修理方法は「アルミのロウ付け」です。
ラジエター屋でもロウ付けで修理します。

じゃロウ付けすりゃいいじゃん!ってそんな簡単には行きません・・・
アルミラジエターのロウ付けは業者でも断わる所が多いです。

アルミのロウ付けって難しいんです。

ロウの溶融温度とアルミの溶融温度が近くて見極めが難しい。
しかもラジエターのコアは薄手の材料な上に元々が放熱するための部品ですから、適温を維持するのはさらに難しい!!

加熱しすぎてドロッとアルミが溶けたら終了です。
加熱が足りなければロウが乗りません。
適温まで加熱出来たとして、その温度を維持するのはさらに難しいです。
鉄だと色が赤く変わるので適温が見分けやすいですがアルミは気付いた時には溶けてます・・・

実は以前、こんな事態の為にアルミロウ付けの練習だけはしていました。
ラジエター本番では躊躇する出来栄えです・・・

まぁ、でもやらなきゃ永遠に出来ないワケで、やってみなきゃ出来るかどうかも解らないワケです。
覚悟を決めてロウを用意しました。

これも必要な経験、失敗したらエポキシ接着剤で修理しましょう。

用意したのは2種類。
新富士 アルミソルダー
新富士 アルミ硬ロウ

アルミソルダーの方が溶融温度が低くて僅かながらアルミ硬ロウより簡単らしいです。
ただ、以前アルミソルダーを使った感想は、一度乗せたロウの上に再度ロウを乗せるのが困難です。
巣穴も開きやすいイメージで、使いこなせればアルミ硬ロウの方が良いのではないのか?と思ってました。

なのでアルミ硬ロウも用意、所持していたアルミソルダーに追加して購入。
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イキナリ本番は自殺行為なので、適当なアルミ端材で練習。
う~む、ロウが溶ける前に母材が溶けました・・・
ビビッて早めにロウを入れたら玉半田になって溶け込みませんでした。。。

やっぱり難しい。
が、こればかりは練習しかありません。
数回の練習の後に何となくコツを掴んでいざ本番!



とりあえず汚いながら母材を溶かし落とさずロウ付け出来ました!


十分に冷えた後に水を入れて圧力テスト。

一箇所ピンホールが開いてました・・・



ピンホール周辺を研ぎ直して再度ロウ付けチャレンジです。
アルミソルダーでやってみましたがロウが乗らず早々に断念。
やはりアルミソルダーはラジエターの補修には難しいです。
炎を当てると酸化してしまうのか、熱の加え方が難しいです。
母材が厚くて母財温度でロウを溶かせるほどに加熱保温が出来れば良さそうですが・・・

再度研ぎ直しから実施して、今度はアルミ硬ロウです。
温度の上がり具合はフラックスの溶け具合、焦げ具合で見極めます。
説明書ではロウに直火を当てず母材の温度で溶かせとありますが、ラジエター修理にコレは殆ど不可能です。
ロウを当てるとロウに熱を持っていかれてコアが冷え、ロウも溶けず流れずで上手く行きません。

nao は予め外炎の近くでロウを加熱してある程度温めて置きます。(これがアルミソルダーだと酸化してしまうのか失敗します)
その距離を維持したまま、コアを熱して前述のフラックスの具合を見て一気にロウを乗せます。

この方法で2度目のピンホール塞ぎも実行。
今回は無事にロウを乗せる事が出来たので、冷えたらドキドキの加圧テストです。
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水漏れ無し、良かった!
無事に全ての穴は埋まり安全弁が吹く程度まで圧力を上げても漏れ出すことはありませんでした。
不恰好だけど機能的に問題無いので修理完了です!

修理前
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修理後
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