ステムベアリングのプーラー


ステムシャフトに圧入されているベアリングの抜き取り、大変苦労しますね。

定番はタガネで打ち抜く方法ですが、掛かりが浅いので力の掛けどころが難しく、なかなか困難な上に失敗してステムシャフト叩いたり、多大な力を与えるのでシャフト自体の変形とかも恐ろしいです。

もう一つの定番は、グラインダーでベアリングを薄く削って叩き割る方法ですが、これも削りすぎてステムシャフト削ってしまったり、手元が狂って関係無い所削ってしまったりでやっぱり大変恐ろしい。。。

何とかもっと楽な、確実な方法は無い物か?
確実に行くなら特殊工具メーカーの HASCO からステムベアリングプーラー(TBP982) なる製品が販売されていますが、定価 57,750円と恐ろしく高価!!こんなの買えるワケありません(汗)

そんなこんなで最近再び悩みに入っていました。
もうステムベアリング交換は終わってるので、作業予定は当分無いのですが、
性格上、気になると解決しないと我慢ならない。

なかなか妙案が思い付きませんでしたが、ある時突然にアイデアの神降臨。



そのアイデアを元にネットで検索すると、同じ事やってる例を発見しました。
この方法で出来るんじゃん!!



って事で足りない道具を調達。
ヤフオクでベアリングセパレーター&プーラーを購入、約5000円でした。
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真っ当な製品なら数万円でしょうが、そこは中国と思われる海外製品… ま、安いなりに作りと製品の仕上げは最悪でしたが、そこは軽く手直しして OK です。
そのまま使うとバリで怪我したり壊したりするので要注意です… 日本製では許されない作りですが安いので nao的には OK です。
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道具が揃ったら早速実験と実証を。
この 96 のステムからロワーベアリングを抜き取って見ましょう。
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先ずはロワーベアリングのローラーを押さえてる金具を破壊して、ベアリングレースからローラー部分を外してしまいます。
ローラー押さえの金具をタガネでちょっと切り込み入れてニッパーで毟り取ります。
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レースだけになったロワーベアリング、丁度ローラーが入っていた部分の凹みにベアリングセパレーターを引っ掛けて固定します。
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ステムシャフトの頂点には、プーラーのシャフト受けと傷付き防止の為にアルミワッシャーを当て物にしてあります。

あとはグイグイと引張ると… あっさりと抜けました!!
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タガネやグラインダー作戦よりも安全で確実で早いです。
工具代 5000円でこれだけのメリットが得られれば nao としては十分にアリです。
もっとも、腕に自信があってタガネやグラインダーでも失敗する事は無い!と断言できる方には工具代無駄使いとしか思えないかもしれませんが… nao は不器用ゆえ道具を選んで足りない技術を補う方向です。

久し振りのナイスアイデアじゃないかと思ってますよ~ 機会があればお試しあれ!近くの方は道具買わないで良いですよ、声かけて下さいね~