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-88度を表示したきり戻らなくなった水温計と表示が消えた時計の修理依頼が来ました。


依頼元はおやじのブログ の jara_camellia さん。

富士の走行中に突然水温計が振り切り、時計が消えたと。
確か水温計は nao RS も一度こうなったんですよね…
もしかしたら修理出来るかも?との事で、送ってもらいました。
なんとクロネコ即日便とか言う物で速攻で来ました、ちょっとビックリするくらい速かった(笑)



まずは水温計から。


走行直後は -88 で表示がストップしていたけど、一晩ほっておいたら表示が消えた…との事。
内部の液晶表示保持用のコンデンサーが放電しきったからでしょう。

nao家のテストベンチ(と言っても 12v 電源に各種コネクターやランプを組み合わせているだけですが)に接続して電源投入。
センサーのラインにはサーミスターの変わりに 10kΩ程度の抵抗を接続しておきます。
比較用に nao RS の今は未使用の HRC 水温計も使用。

う~ん、やはり元に戻ってます…
HRC の水温計は電源投入時にセルフテストで一旦-88度の表示をして、その後通常の表示に戻ります。
今回のケースではセルフテスト時に何らかの理由で水温計の表示がストップしたのでしょう。

とりあえず分解して目視点検、異常無し。
分解と言っても接着されてしまっている部分があるので、そう簡単ではありません。
表面はシリコンを剥ぐと現れるネジで取れるのですが、そこからアクセス出来るのは水温表示調整用のキャリブレーターポットのみなので、裏側を切り開いて基板を取り出します。
基板自体もエポキシ系の接着剤で止められているので結構大変…
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さて、目視点検するも以上は見当たりません。
何度も電源投入・切断を繰り返していたら一度だけ表示に異常が起こりました。
-88 ではありませんが、セルフテスト終了後になんだか読めない数字に文字化け。
nao の水温計では同じ事しても問題が起きないので… ノイズリダクション用のコンデンサーでもやられたかな?と…

元のコンデンサー類はエポキシで接着されてしまっていて、取り外すのが困難なので、外付けで電源ラインにコンデンサーを接続してみました。
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その後は何度やっても表示異常は起きなかったので、良しとします。
って言うか、他にやりようが無かった… 所詮は素人なので結構苦し紛れです。
あとは元に戻して切り開いた部分をダウこーニングのシリコンで防水処置。
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ざっと表示のズレを調整して水温計は終了!
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次に手動式タイム計測時計、命名”手動de!らっぷ君”修理。


走行中に突然表示が消えたけど、電池を入れなおしたら直った… との事。

これもとりあえず分解検査、異常無し。
中身が何故か金属の削り粉?のような物でちょっと汚れていたのでクリーニング。

で、元に戻すと… おお!表示が消えていますよ!!電池入れなおしても駄目です。
う~んなんだろ??とりあえず電圧計ったら電池の残量が怪しいかも?3V の所 2.8V だったので、これくらいなら電池問題無いでしょ?と思いながらも交換。
やっぱり電池は無罪のようです。

テスターでチェック。
なぜか何処かでショートしているようです…

とりあえずラップスイッチの引き出しを半田を外して、再度基板上をクリーニングしてチェック。
おお!表示されたよ!
ラップスイッチの半田がはみ出していた様子は無いんだけど… 再度ラップスイッチの線を半田付けして確認、問題無し。
その後は消える事は無かったのですが、かなり疑惑はグレーです。
恐らくは水温計共々振動の類が原因の一旦では無いかと思います。

この手動式ラップタイム計測装置やタンクにストップウォッチ直付けでのタイム計測は P-LAP が出てくる前は結構当たり前だったのですけど、市販レーサーのタンク上に直接時計を貼ると、振動であっと言う間に壊れていました。
nao はその事実を知っていたので、友人連中には必ずスポンジ越しに固定させていました。

また、最近流行り?のサイクルメーターもハンドルに直接固定とかするとこれも振動で壊れてしまいます。

レーサーの振動って電子部品には考えられない悪環境ですから。

イマイチ2個とも”コレだ!”って白黒付く原因が見えなくて、グレーの疑惑が抜けません… とりあえず2個とも作業終了
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先程宅急便の手配をしてきました。
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受け取りと確認を宜しくお願い致します。