修理依頼のあった RSタイチ製タイヤウォーマーの修理を実施しました。


今回修理依頼があったのは合計 1.5セット。
125用の F/R と 250用の R です。



まずは 250用のリアから修理開始。

依頼主は全日本GP250 を戦う

星野知也選手

です。
レースはお金がかかりますから、出来る限り出費は抑えたいですよね、その為には使えるモノは徹底的に使い尽くしましょう!多少の破損は修理して使い続けるのです(笑)

さて、状況ですが温まる時と温まらない時があるようです。
内部で半断線している疑いが濃厚。

先ずは皮を一部切開して、ウォーマーの表裏をひっくり返して配線を追います。
見た目で解れば良いんですが、半断線や内部の芯線のみの断線だとちと厄介です。

慎重に、慎重に一本ずつ検査すると… ありました、断線箇所。

不自然にコードが直角に曲がり、曲がった箇所がフニャフニャです。

場所はウォーマー中央のサーモスタット?の取付付近。
イメージ 1

この部分はそっくり切除して、耐熱性のスプライサーでカシメます。

修復処置を施したら組み立てて再チェック。

おや??
まだ時々、ウォーマーを揺すると瞬間的に接触不良を起こす時がある。

どこかにまだ断線箇所があります。
再度皮をひっくり返して一本一本線をウニウニと動かしながらテスターで通が無くなる所を探します…

ありました。

コネクター付近で芯線の断線を発見です。
先程のは半断線っぽかったのですが、これは内部で完全に切れている感覚があります。
イメージ 2

被覆のコネクター側を剥がして、引っ張って見たらスルスルと抜けて来ました。
芯線がブッツリと切れています。
イメージ 3

この部分は左右とも長さを揃えてカットして、コネクターピンへ半田付けします。
配線にはまだ余裕があるのでこのくらいのカットなら問題無いでしょう。

またまた元通り戻して通チェック。
今度は途切れる事はありません、テスターでのチェックは良好です。

念の為、125のですがタイヤに巻いて実使用チェック!
何せ物が250用なんで幅が太いですから、長時間は通電出来ません、下手すると焦げちゃいます。
軽く温まるのを確認したら終了。
イメージ 4

あとは切開した布地の縫製があるのですが… これは別口へ外注修理を依頼します(笑)


さて次です。



次は 125用の前後です。


依頼主は… ま、言わなくても一部の人には解るでしょう(笑)
御自身で修理したけど、フロントは通電せず、リアも怪しいとの症状です。

さて先程同様裏返してチェック開始。

先ずはフロントから。

テスターで通チェックすると全く反応しないです。
見た目でブッツリと完全切断している所は無いので、配線を一本ずつウニウニと動かしてチェックすると、時々接触が蘇る時があります。
内部の芯線のみの断線のようです。

地道にチェックして…断線箇所発見。
面状発熱体への取付部付近のタイラップでの固定部分あたりで切れています。
イメージ 5

タイラップと被覆を切って引き出して見ると… 芯線が切れています。
イメージ 6

配線を適度にカットして、面状発熱体へ半田付けします。
しかし配線の酸化が酷くて、半田が乗らず、結構大きくカットせざるを得ませんでした。
どうも半田付け部分のシーラント処置が甘くて水分でも入ったのか腐食しています。

希硫酸があると(使い古しのバッテリー液で可)腐食も取れるのですが… 手持ちが無いし配線には長さに余裕があったので不良箇所はカットして付け直します。
また腐食したら大変なので、半田付け箇所はシーラントを慎重に刷り込んでシールします。

組み立ててテスターで通チェック。
フロントは問題無しで終了です。



次はリア。

リアも同じく面状発熱体への取付部で芯線が断線している様子です。
イメージ 8
フロントと同じ様にカットして面状発熱体へ直接半田付け。

組み立ててチェックすると… むむ?
ウォーマーを揺すると時々瞬間的に通が無くなる時がある…

場所を探すと、コネクター付近で以前に修理した場所があるのですが、配線を引っ張ったり曲げようとしたりすると抵抗値がメガオームを示す事がありました。

この部分をそっくり切除して、コネクターピンへ配線を半田付け。
イメージ 7

再度組み上げてチェックして問題無し!良好です。


さて、布地の縫製ですが、こちらはすでに外注業者手配済み(笑)
持ち主経由で外注へ作業依頼しますので nao電気商会はここまでで作業完了です。


さて、自分のウォーマーやらなきゃね。