ようやく部品も揃ったのでエンジンのビルドアップに入りました。


今回は恐怖のメーカー欠品も無く、無事にクランク周りの部品が揃いました。
ざっと全ベアリングとクランクシャフトです。


いよいよ今日から初の自力縦割りケースのクランク交換開始です。
まずはざっとバラして洗浄したケースを電熱器にかけて温めます。
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およそ15分、垂らした水がグツグツとゆっくり沸騰するくらいで電熱器から下ろして…
とりあえず振ります!
嵌りの弱いベアリングはこれでいくつか抜けました。

しかし… 肝心のクランクベアリングとバランサーベアリング(含むニードルベアリング)はやはり振ったくらいでは抜けません、ま、これで抜けちゃ弱すぎるんですが…
と言う訳でこれまでの練習成果を生かして”軽く”叩いて抜きに掛かりますが… 軽く叩いた位じゃまったく抜ける気配なし。
さすがに新しいケース… これまでの廃棄品のケースとは訳が違う。
温めは十分な筈なんで、これはもう覚悟を決めて徐々に力を強くして抜いていきます。
クランクベアリングはまあ、こんなもんかな?って位の力で抜けましたが、ニードルベアリングは固くて全然ビクともしない。
しかし抜けてくれない事には困るんで、しょうがないので結構力入れて引っ叩いて抜きました。
熱持ってるので歪みが心配でしたがプレスも無いし、もうしょうがないです。
これまでの練習ケースとは固さが全然違います。

全部のベアリングが抜けたら一旦冷まして洗浄します。
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再度熱して今度は冷凍庫で昨晩から凍らせていたベアリングを挿入して行く作業です。

いくつかはそのまま熱したケースに”カチン”と入ってあとは熱膨張でフィッティング出来たのですが、右ケースの 6204z のベアリングと左ケースのクランクベアリング、バランサーニードルベアリングは入りませんでした。
途中で引っかかってしまいます。
そんなこんなしているうちに熱が移ってしまうので、もう一度冷凍庫に入れて冷やすところからやり直し… こんな事を3,4回やりましたが傾向変わらず。
抜く時も固かったし、元々嵌め合いがキツイのかな??という訳でラチがあかないので次に入らなかったら引っ叩いて入れる事に。
で、案の定やはり入らなかったので引っ叩いて入れます。
ニードルベアリングに至っては、物凄く固くて結構ガッツンガッツン叩く羽目に…もう歪がどうとか言ってられません。
打ち込みが終わった下を見たら、アルミの削れカスが… 温めているのにコレじゃもう nao にはどうにも出来ません…
とりあえず緩くは無いんで、やはり嵌め合いがキツメだったのだろうと自己暗示。
6203z は軽く叩いたら入ったんで、これは殆ど問題無し?叩く時点で問題と言えば問題ですが…

で、左ケースのクランクベアリング。
ここはキモなんで叩きたく無かったんですが入らないモンはしょうがない。
プレスが欲しいですね…
仕方無く引っ叩いて入れて、ここは流石に気になるんで、一度冷えてからもう一度熱してベアリングを抜いて見ました。
やはり縦傷が数本入っている…
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もうやってしまった物は仕方無い。
どの道、入れようが無かったんだから仕方ないですね。
こう言う時はどうすれば良かったんだろう???
再度ベアリングを入れる作業ですが、今度は熱したケースに冷えたベアリングが”カチン”と音を立てて入りました。
う~ん、複雑な心境… どう判断すべきか??

とりあえず全ベアリング挿入完了。
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こうなればあとはクランクシャフトの組み上げです。
これまでの練習の成果を生かして(すでにベアリング編で生かせていないが…)冷凍庫から持って来たクランクシャフトを熱した左ケースに合わせます!
ココからは時間との勝負!手早く右のケースも被せて、クランクインストーラーで慎重に引っ張り出します。
やはり新品は固い!いままでの中古練習クランクだと、もうクランクがユルユルだったんで乗っけるだけでスコンと入りましたがさすがに新品はインストーラーで引っ張り出す必要があります。
引き過ぎると取り返しが付かないんで慎重に慎重に…

ケースを合わせ終わったら、クランクのセンター出し。
これも、練習用のクランクだとユルユルだったのでケース合わせただけでセンターが出ていました。
しかし、さすがに新品クランク、そのままでは物凄く重い… マニュアルと、以前教えて貰った方法を復習して慎重にセンターを探します。

お!かなりいい所出たじゃん!もう一歩かな?と欲を書いたら重くなり始めたんで、諦めて銅ハンマーでちょっと戻して… センター出し完了!
とりあえず初にしては良いんじゃないの?と自画自賛。

ここまでくれば一安心。
あとはクランクの両軸にオイルシール被せてミッション他を付けて腰下は完成じゃん!
と油断したら…
やはり悪魔は潜んでいました。

クランクの左オイルシールを付け様と、グイッと指で押したけどこれも固くて入らない。
う~ん、固いなあ?ヨイショ!とちょっと強めに押したら…
奥までズコ~ンと入って取れなくなっちゃいました…(涙)
散々手を尽くしたけど、どうにも取れなくてシールプーラーで取ったらやはり壊してしまいました…
左はもう諦めて、右をやって見たらこれも同じく
ズコ~ンと入って取れなくなっちゃった。
これはもうどうにも取れなかったんで、カッターで切り裂いて取り出しました。
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最悪です、最後の最後に…
部品注文して次回に… と思ったのですが、性格上我慢なら無い!



割と御近所に住む ogawa634 さんに連絡。
シールを譲ってもらう事が出来ました(有難うございます!!)
次も失敗するわけには行かないんで、ogawa634 さんにコツを教わって、さらに奥までシールが入らないように(ツライチで止まるように)シールの外径よりちょっと大きなワッシャーを貰いました。
このワッシャーでシールを押せば、勢い余ってしまってもケース面にワッシャーがぶつかりそれ以上シールはクランクケースの中には入らないと言う事です、最初からこの手を使えば良かった…
無事ワッシャー作戦でシールも挿入。

ざっとミッションまで組み上げて、残すはクラッチですが、これはまだ工具が用意出来ていないんで次回です。
ところで、RS のミッションって凄い付け難い… ケースにシフトフォークをセットするのに1時間以上掛かりました。
肝心な時にバラバラになっちゃってやり直しだったり。
そう言えば昔、ミッションホルダーなんて専用工具を見た覚えがあるなあ… 今更ながらに凄く欲しい。
この辺は TZ を見習って欲しいです、TZ だったらカセットケースに全部セットしてあるので凄く楽チンです。

今日はココまで。
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あとは腰上とクラッチ周りですね。
結構失敗して組んでいるんでちゃんと走るか心配です。
ケース歪んでいないといいなあ… ニードルベアリングにガタが出ないといいなあ…
やはり腰下は難しいです。
経験が足りないのも一因だとは思いますが… 250 の横割りがいかに楽だったか。