実は去年の8月頃、富士を初めて走ってからずっと考えている事がありました。
それは”ラム圧”導入。

現在の GP125 は RS も TZ もラム圧が当たり前。
nao の TZ は 97 なので対応するラムキットも存在せず、当然自然吸気。
筑波を走る分には RS に対して絶望的な違いは感じないものの、富士に持ち込むと前回書いたようにギアレシオの問題もあるのですがやはり高負荷時のパワー不足は明白で絶望的な程の差があります。
6速に入れると失速する原因の一旦はやはり決定的なパワー不足も大きいと考えています。
アブガス時代の TZ はそうでもなかったようですが、自分の 250 の経験からしても無鉛化された後の自然吸気は高負荷時は辛かった覚えがあります。

nao は以前、2台の TZ250 に乗っていました。
最初の TZ250 は 95モデルで自然吸気。
2台目の 250 は 96モデルの YEC ラム圧キット装着車。
この2台はエンジンはほぼ同一なので比較対象になり得ます。

まず 95 モデルですが、アブガス時代から使っていて、無鉛化された際にヤマハのコンバージョンキットを組み込んでエンジンが 97 仕様になりました。
アブガスから無鉛化された際に、やはりパンチは薄くなり高負荷においては若干のパワー低下を感じるようになりました。とは言え、250の場合はパワーは十分ですから、かえって特性がマイルドになった分だけアクセルが開けやすくなりタイムは上がりましたが、これが 125 だとパワー低下は死活問題です。

2台目の 96 モデルもコンバージョンされていてエンジンは97モデル仕様。
こちらはラム圧キットが装備されているのですが、パワー面だけに限って振り返ると、明らかに富士の高負荷時は上でした、おそらくアブガス時代よりも上。5速、6速は絶対的に上だったと思います。
とは言え筑波では違いはまったく感じず。

これらの状況を今の 125 と照らし合わせると、やはり同じショートストロークのヤマハエンジンだけあってものすごく近い状況であるのが解ります。
現在の nao の TZ125 は筑波では RS に対しても本調子であれば左程違いを感じず戦えますが、これが富士に持ち込むとストレートでは1速違うくらいスピードが違い勝負になりません。
nao の TZ は6速に入れると失速してしまうので、多分本当に RS とは1速分違うのでしょう。
上記の 250 での経験からこの状況を打開する切り札としてラム圧キットは必要だとずっと考えてはいました。

とは言え、97モデルの 125用のラムキットは存在していないわけで、全てが手探りの中でセッティングを出して行く事になります。
装着自体は現行の SJK KIT のラム圧キットでいける筈と TADAO RACING の清水さんより回答は得ていました。
ラム圧キットを装着して、独自にセッティングを出しレースをするにはかなりの走行時間と資金を要求されます。
それらを考慮すると、その資金を練習代に回してもっと走りこむべきでは?とずっと葛藤していました。
まして筑波ではたいした差を感じていなかったので、レースを筑波に限定して筑波を走りこみ実力を養うのが先と去年の段階では自分に言い聞かせていました。

しかし、状況は変りました。
今年 MCFAJ にフル参戦する事を決意し、その会場として FISCO があります。
出る以上は全力を尽くします。
これからラムを導入してセッティングを出して果たしてどこまでやれるのか?は未知数です。
メリットよりもリスクが上回る事が十分に予想されます。
それでも少しでも上に行く可能性があるなら挑戦する事が必要と判断しました。
もちろん少しでも上位を目指すなら、皆と同じ道具である RS に乗り換えるべきだと思います。
しかし今年も散々奔走しましたが結局中古で RS は入手出来ず、新車を買って参戦する余裕はありません。
今年も TZ に決定したので残りは現在ある道具をどう使っていくか?です。
ラムキットはモノにすれば大きな武器となります。
先程決断して TADAO RACING に発注を入れました。

新たなる挑戦と可能性へのチャレンジです!