






雨降った次の日は富士へ行く道も凍っていて怖そうだし、、、
整備しなくては行けない理由があって、前回クランク組み替えたのは11月12日頃で、まだ日中の温度がそれなりにあった為、ピストンの突き出し量を0フラット狙いで組んでいました。
しかし、現在は気温も低く気圧も高くなったのでこれでは圧縮が高すぎになるのでピストン突き出し量を-0.1mm狙いに組み替えないと行けなかったのです。
TZ乗っていない人は???の嵐でしょうけど、TZは気温と気圧(nao の場合、主に季節で設定しています)でシリンダー上面からのピストンの飛び出し量を調整する必要があります。
これが出すぎていればデトネーションの嵐になるし、足りなければただでさえパワーで苦しいTZがさらに遅くなってしまいます。
現在のハイオクガソリンのエンジンでは真冬は-0.1mm狙い、春~秋に関しては0フラット狙いの2通りですが、昔のアブガス時代など+0.15~-0.1が範囲にあって、しょっちゅう組み替えてそれだけでえらい時間食われていました。
しかも、その時代は nao は250に乗っていたので、シリンダーは2個、、、なかなかドンピシャな突き出しが出ずに何時間も調整していた事もあります。
この突き出しの調整はシリンダーとクランクケースの間のベースガスケットの厚さを替えて調整するのですが、これがなかなか個体差があってうまく出ない、結局は組み付けて見ないと解らないのです。
昔はマイクロメーターでガスケット単体を測定してみた事もありますが、測定する場所によってえらい数値が違っていて、どこ計ればいいのか判断で出来ずで止めました。
そうそう、nao はダイヤルゲージのスタンドは標準品は使っていません。
ヤマハ純正のダイヤルゲージスタンドはものすごく使い難いです。
なので、、、今は使っていないアブガス用のヘッドを中心部だけ残して左右カット!これすごく便利です。
0出しはガラス板の上で出したらあとはシリンダーに乗せるだけ!
点火時期調整もいちいちアダプターを組み替える事無く、コイツをシリンダーヘッドとして留めてしまえばそれで出来ます。
コイツのおかげで作業時間がえらい短縮できるようになりました。
ちなみに、現在の250、形式が5KEのTZについてはベースガスケットの材質が変更されていて個体差は殆ど無いし、表記通りの厚みに仕上がっているので計算した突き出し量がほぼ一発で出ます。
しかも材質がメタル系なのでシリンダーにガスケットが貼り付く事も無い、、、良い事ずくめです。
これを nao のTZに流用しようとしたのですが、若干形状が違っていて一部カットしないとそのままでは使えない状態でした。
外側の違いは強力な鋏で切れるのですが、内側の水路の部分もカットしなくてはならなくて、ここのカットをどうすればいいか現在も悩んでいる所です。
カッターなどではビクともしないし、、、、
ミニグラインダーと細工用ヤスリで一枚切ってみたけど、軽く1時間はかかるのでとても労力に見合わん上に断面も荒れているのでガスケットとしては不安、、、駄目ですね。
なにかいい手は無い物か、、、なにかコレ!っていう道具があるとは思うのですが nao は解りません。
仕方ないので今回はノーマルのガスケットを使って圧縮調整しました。
0.8mm表記のガスケット2枚目でピストン突き出し量-0.07mm。
ここで妥協しました。
とは言え、この突き出し量も一度シリンダー分解すると、運良くシリンダーに貼り付かずに外せたとしても次に組み付けると少し潰れて数値が変るんですよねえ、、、やはり5KEのTZ250ガスケットを流用したい所です。
ついでに、前回発覚したデトカンの銅ワッシャーについて調査してみました。
調査方法はシリンダーヘッド内側、プラグのネジ部の最前面の突き出し量をノギスで計測する方法にしました。
結果は
① 1.2mm 薄型銅ワッシャーの場合 ===> 0.6mm
② 1.65mm厚型銅ワッシャーの場合 ===> ノギス読みではほぼフラット(0~0.1mm)
③ ノーマルプラグ(デトカン無し用) ===> 0.4mm
となりました。
数値だけ見ると薄型ワッシャーはノーマルより0.2mm大きく厚型ワッシャーは0.4mm少ない。
とは言え、実はプラグその物の形状が結構違っていて、ノーマルがネジ部最前面が90度のエッジで構成されているのに対してデトカン用はネジ部がテーパー状になっているので実際に組み付けた場合の圧縮比はノーマルと同じ突き出し量にしてもデトカンプラグでは少なめになると思われる。
それを加味すると薄型ワッシャーの0.6mmがノーマルプラグとほぼ同じ圧縮比を確保出来るのではないか?と思います。
今のところ、ノーマルのRS125のプラグの品番が解らないのではっきりした事は言えないのですが、もしTZのノーマルと同じプラグだとしたら、ノーマルからデトカン用にプラグを変更した際にも同じ圧縮比を保てるようにワッシャーを設定しているのでは?と思っています。
そう思ってちょっと調べてみたら実はデトカン用プラグ、ある年代で品番変更されているのです。
もしやその品番でワッシャーが厚いのと薄いのが切り替わったのでは?というのが nao の推測です。
つまり旧品番のプラグでは厚いワッシャーを使うとノーマルプラグと同じ圧縮比。
新品番(現行)のプラグでは薄いワッシャーを使うとノーマルと同じ圧縮比。
いいセン行ってる推測だとおもうのですがどうでしょうか???
上記の調査結果も踏まえて、今回は薄いワッシャーを使ってみます。
なんだかややこしい事になってしまったけど、TZは圧縮の調整がキモなので、きっちり出したいと思っています。
実際、ちゃんと組んだTZは筑波ではそれなりに走ります。(前回のMCFAJの際にも複数のRSライダーから”このTZはストレート速い”とお墨付きを頂いています)
反面、ちょっとでも手を抜くと好調時が嘘のように遅くなってしまうし壊れてしまう、、、
この辺がTZの難しさだと認識しています。
RSはいつでも速いけど、TZは速く作るのがすごく手間なうえに絶好調でもRSよりちょっと遅い、、、そりゃ誰も乗らなくなるわな、、、