ミラー! (714)師団及び駐屯地記念行事 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (714)師団及び駐屯地記念行事

 記念行事の当日。昨夜遅く帰ってきて、そして早く出勤。もちろん広報室長ということで、服装も礼装になっている。色々なVIP招待客対応を任されているからだ。その中に大叔父さんの代理としてきている僕の兄、弐條春斗。VIP受付のところにやってきて受付を済ましている姿を見てやはり部下たちは気になるようでこちらをうかがっているのがわかる。ブラックスーツをびしっと着込んで、受付をしている姿はほんと僕がそこにいるようなのは確かだ。「衆議院議員弐條雅司代理 弐條春斗」と書かれた大きなリボンを胸元につけると、僕が控室へ案内することになった。国会議員で与党最大派閥TOPの代理。待遇的には結構上だからね。並んで歩く姿はやはり注目の的って感じだ。



「春希、記念会食が終わったら、チビら連れて東京へ行くから、それで良かったやな?」

「うん、頼むね。明日ちびたち学校があるし、自宅まで送ってくれたら助かるよ。それよりもどうよ?来月末選挙でしょ?」

「んん。だからこうしてこういうのに顔を出してるやん。今回の東京行きも、弐條の東京後援会の会合。ま、頑張るわ。」

「で、大叔父さんの体調どう?」

「ん…まずまずやな。ま、俺が大叔父さんの代理で立候補するし、あとはゆっくり療養してもらったらええし。」

「うん、そうだね。で、派閥はだれがトップになるの?和気議員?それとも?」

「たぶんな…遠藤議員やろ。いくら最大派閥とはいえ、なれる器がおらへんのも確かや。和気議員もええけど、まだ当選回数少ないしな。そう考えると、遠藤の伯父さんしかおらへん。総理経験者やし、支持者も多い…。ということで、お前が跡を継ぐのもまだまだ先やね。」



といって控室の中へ。そして僕は控室の担当者に春斗を案内させた。



 招待者の受付も終わり、撤収作業。



「室長。弐條議員の代理の方って室長のお兄さんなんですよね?」

「んん。三つ子の一番上。兄貴と僕は一卵性なんだよね。それもミラーツインで、色々と反対なんだけどね。見た目そっくりでしょ?」



と、撤収中の部下たちと話す。道路を挟んだ向こうのグランドでは式典が始まるようで、たくさんの人がそちらへ足を運んでいた。駐屯地の真ん中あたりでは各部隊が出している店やイベントがあり、子供たちが楽しそうに過ごしていた。ほんと普段静かな駐屯地が記念行事になるととても賑やかで楽しくなる。僕はそういうのが好きだ。さ、休憩したら次の仕事へ行かないとね。