ミラー! (713)家族水いらず
イベントの一つ、戦車試乗を終え、美里と娘たちのいるところへ。やはり有名タレントの立花真里菜。人だかりができていた。
「ママ!」
と体験試乗を終えた未来が美里のもとへ。美里も笑顔で未来を迎える。大きな音がしていたけれど、5月のすがすがしい風に美希がすやすやと眠っていた。
「ママ、戦車ってすごいよ!自衛隊になるのもいいな!」
「え、未来はお医者様になるんでしょ?」
「うん、パパみたいに自衛隊のお医者さんでもいいな。パパ、自衛隊のお医者さんなんでしょ?」
という言葉に少しドキリ。今医官らしいことなんで一つもしていないんだよね。僕が現れたからか、人だかりが少しおさまった。なんだかんだ言ってここにきているのは自衛官の家族がいたりする。一応この僕は佐官だしね。気を使ってくれているみたいだ。残りの時間を家族でぶらぶら歩く。そして歩きながら色々話す。家のこと、子供のこと、仕事のこと。誰に聞かれてもいいようなことだけどね。そして時間が迫り、門の前で家族を見送り事務所へ戻る。
事務所では部下たちがせっせと記念行事の準備をしている。そして美里が持ってきた手土産を部下へ…。
「お疲れ様。さ、休憩できるものは休憩して。これうちの家内から。ほんとみんな忙しいのに時間を作ってくれてありがとう。」
「いえ、いつも自分たちに休みを優先してくださいますから。当直も引き受けてくださいますし、こういう言うときくらいは、室長にゆっくりと…。では遠慮なくいただきます!」
といってキリがいい部下たちはお茶とともにお茶菓子を食べていた。
本当にいい部下たちばかりで、助かっている。もしそうじゃなければきっと投げ出していたかもしれない。それだけ気を使うし忙しいこの仕事。さあ明日は記念行事で、来週は神戸でのお祭り支援。頑張らなければね。