ミラー! (696)挨拶まわり
せっかく神戸へ来たので、地本本部へあいさつ。本部長である1佐と面会だ。もちろん面識はない。歳は50前後。防大出身の幹部海上自衛官だ。
「はじめまして師団司令部広報室長の遠藤と申します。」
と、お互い名刺を交換する。そして僕の職種章をちらっと見て…。
「ほほう…衛生ですか?お若いですね。おいくつですか?」
「34です。」
「34?34で3佐ですか。将来が楽しみですね。最終学歴は?」
「防医大です。防衛医科大学校…。」
その言葉に「え?」っとこの僕をみる。
「防医ってことは…医官ですか?」
「ええ。」
「医官で広報とは…。何かやらかしたとか?」
その言葉に地本の広報官は慌てて…
「本部長、この方は有名な政治家の御子息で…祖母は元総理大臣の…弐條…。」
その言葉に目を丸くする。
弐條は芦屋神戸では超有名政治家家系。まだ僕の存在を知らない人がいるんだね。まあそのほうがいいんだけど…。その後色々世間話をしてその場を退出。なんか疲れた…。
部下の運転する車の中で、ボーっとしながら駐屯地へ向かう。やはり医官で広報っておかしいのかな?
「さすがですね室長。」
「え?何が?」
「航路の調整の件です。今までなかなか進まなかったんですが、一気に決まって主催者側は安心でしょう。いい祭りのフィナーレを飾れるといいですね…。」
「僕は一言言っただけなんだけどね…。お願いしますって。」
「これからも同席してくださいね。お願いします。こちらも車両展示がありますから。」
「そうだね。」
ほんと政界の太すぎるパイプ…。いいのか悪いのかどうなんだろうねえ…。