ミラー! (675)チビたちの進路 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (675)チビたちの進路

 少し時間が戻る。11月のことなんだけど、東京の養父母から電話が入った。



「未来のことなんだけど、小学校は慶応に決まったから。」



え?って感じで僕は固まってしまった。小学校の受験なんて一切聞いてなかった。もちろん慶応は自宅から歩いて通える距離にあって、送り迎えとかあまりしなくていいよねって養父母たちが言ってた記憶がある。



「未来の学費に関しては、うちがすべて出してあげるよ。もちろん美濃もそのほうがいいっていうし…。美紅なんだけど、今補欠結果待ちなんだよ。一応兄弟として優遇があったみたいなんだけど…。ま、美紅は期待していない。」

「どうして勝手に受験させたわけ?今の学校だって大学付いているし…。そりゃ、父さんも死んだ優奈も慶大出てるし…。」

「実力テストがわりに受けさせたら、受かったんだよ。早実も受けさせて、未来は受かったんだけれど、やはり通学を考えると、慶応がいいと思って。優希には悪いけど、未来は優希よりも頭がいいよ。いい環境で育ったほうがいい。慶大は、未来がなりたいって言っている医学部もあるし。未来が慶応受かったのを聞いて、優希のいい刺激になったみたいだよ。一生懸命志望校合格に向けて頑張っているし…。」



本当にうちの両親は勝手なんだから。合格発表の後、即手続きしちゃって、未来もわけがわからないままみたいだ。そして入学式は養母が責任を持って行くって言い出してね。あとは美紅の補欠の結果待ち。女の子は募集が少ないからね。ま、諦めモードに入っているのは声からわかる。はあ…。



 もちろん美里にも電話をかける。美里もうちの両親に押し切られた状態で未来が今と系列校から別の学校へ行くことに関して了解してしまったみたい。可哀そうなのは美紅で、未来と別の学校かもしれないということで悲しんでいるみたいだ。もちろん心優しい未来は、せっかく決まった小学校へ行きたくないっていうんだけど…。



 数日後、何とかギリギリで美紅の合格が決まって、即日両親は手続きをした。ま、これでうちのちびたち一緒に同じ小学校への入学が決まって安心なんだけど、この僕に相談なしに決めちゃうってことにちょっといらついた。



ま、あそこの教育方針は嫌いじゃない。体がちょっと弱い未来にとってもいい刺激になっていいんじゃないかな?今のところ順調に体もなおってきているし…。



実はあの小学校に中高時代の同級生が先生をしていたりするんだけど…。内緒にしておこう。入学式へ行けるかな?行けるといいな…。