ミラー! (666)通常通り
派遣から帰ってきた次の日、僕は出勤。休んでいるものもいたけれど、書類がまだたまっているからね。早く仕上げないと上がうるさい。ま、明日は念願の民間病院勤務。昨日のうちに上の許可を得て、現場復帰。やっとかわいい子供たちと会うことができる。そして週末は休み。やっと休み。来週末まで美里は僕の身の回りの世話をしてくれる。まあ言えば創立記念祭が終われば東京へ帰っちゃうんだけど…。子供たちには悪いけれど、やっと新婚らしい生活が送れるわけだ。そのために今日中に書類をまとめなければならない。まあこういう仕事は嫌いじゃないし得意だから、上から戻されない限り、早く終わるだろうと思う。
昼食は愛妻弁当。それも結構頑張って作ってくれているからボリュームもあって、おなかいっぱいになった。もちろんデザート付。嬉しくてうれしくて満面の笑みで食べているから、周りの同僚たちに白い目で見つめられる。でもいいんだもんね。
昼食の後午前中に仕上げてしまった書類をプリントアウトして、上に提出。結果が出るまでの時間、僕はいまだ片づけをしている隊員の元へ行く。片づけを済ませ、記念祭のための車両の塗り替えの最中。何とかギリギリ間に合うかどうかって感じみたいだ。
休まず頑張っている隊員たちへPXで買ったジュースを差し入れる。ほんと気のいい奴らばかりで楽しい。ほんとここではいい部下に恵まれている。もちろん前のところでもいいメンバーだった。例の先輩医官を除けばね。そうだな、自衛隊医官をしていて比較的職場には恵まれているだろうね。あともうちょっと医官的な仕事があればいいんだけど、ここではほとんどデスクワークメインで診察らしいものはしない。金曜日にある民間病院勤務が医者らしい仕事だね。
「ぶーぶーぶー」
と、携帯のバイブレーター。相手は隊長。書類の返事かな?メールだから急ぎじゃないんだろうけれど…。メールを見てみると、OKの文字。これで僕は書類地獄から解放された。あとはさらに上、そしてさらに上が見てどう思うか何だけどね。まあ今まで書き直しを食らったことはまずない。
「あ、明日から週明けまでいないから。」
「え?代休ですか???」
「いやいや。明日は民間行き。土日は休みだけどね。そういうことで、あとは何かあれば准尉とかに聞いて。」
「え?帰ってすぐ民間勤務ですか???」
「だって待っている子供たちいるからさ。1か月休診していたんだから。じゃ、頑張って!」
といってその場を後にした。今日も定時に帰ることができそうだ。ほんと優秀な人材ばかりだから助かる。