ミラー! (661)帰国連絡 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (661)帰国連絡

 いよいよ帰国。米軍機で人員のみグアムの米軍基地へ。車両と輸送担当隊員は、航空自衛隊輸送機で小牧基地へと運ばれる。グアムの基地で食事やシャワーをお世話になった後、民間機で関西国際空港へ向かうこととなった。グアムでは携帯電話が通じるため、携帯を使用できる隊員たちはさっそく休憩時間に家族と連絡を取っていた。



もちろんこの僕も。遠藤家、自宅、美里の実家、そして…芦屋の祖母宅。初めは春斗が出て、とても喜んだ声で応対していたけれど、途中でお祖母ちゃんが変わった。声がなんだか怒っている。そして話の続きは帰国してからと…。そして次は産休に入っている雅美。



「どうしてお祖母ちゃん怒っているの?」

「んん…。あのね。ニュースで遠藤の派遣のことを見るまで知らなかったらしくて…。それでね…機嫌が悪いのよね。お婆様ったら相当遠藤が派遣されることについて反対していらっしゃってて…。出立後、遠藤のおじさまを呼ばれて、激怒されて…。ほんとすごかったんだから…。関空へ迎えに行くそうだから、遠藤、覚悟しておきなさいよ。」

「んん・・・。」



さすがお祖母ちゃんだ。はあ…相当怒っているって。そういや前回の派遣から帰って落ち着いたころに、もう行っちゃだめよって言ってたよね…。僕は遠藤家の跡取りであり、将来派閥の一員になるんだからと…。まあわからないこともないけど…。しかしね僕の仕事なんだけどね…こういうことって。



本当に帰国するのが億劫になってきた。もちろんその後、遠藤家へ連絡。お父さんはいけないみたいで、お母さんが美里とともに来るみたいだ。はあ…。



「どうしましたか?遠藤3佐。」

「あ、いや…。帰国してすぐなんかありそうなんだよね。覚悟しておかないと…。」

「え?」

「家庭内のことさ。色々ややこしい身内が多くて。そうそう、元統幕長もで迎えに来るらしいよ。たぶん僕の身内を抑えに…。はあ…。格好のマスコミネタになるかもしれないね…最強の身内が暴れそうだから…。」



大体の内容を察知したのか、後輩医官は苦笑している。ほんとどうなるんだろう…。遠藤家、弐條家の恥だけはさらさないでほしい…。