ミラー! (641)抽選会 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (641)抽選会

 納涼祭も終盤。入門前にもらった抽選券を握りしめて眠さを我慢している未来。美紅は美里と共に自宅へ戻ったけど。未来の傍を離れない玲奈ちゃん。雅美と春斗は美里とともに僕の自宅へ。もちろん妊婦だし…。


「ほんと大丈夫?眠たくない?ほんとなら眠たい時間でしょ?」
「大丈夫だよ。ママや美紅ちゃんの分もあるんだもん。当たったら何もらえるんだろうね。」


とにこにこ顔。でも時折あくび。本部の来賓席に座らせれてしまった大叔父さん。ほんと断っていたんだけど、元総監の上に、元統幕長だし…。そりゃ…みんな来賓扱いするよね。一人で座っているのが嫌なのか、こっちおいでとゼスチャーするんだよね。もちろんジイジ好きな玲奈ちゃんは未来を引っ張って来賓席へ。そして大叔父さんの横へ座る。


「パパも~~~!」


って未来が僕を呼ぶ。しょうがないので、本部来賓席の真横に立つ。


「遠藤君も座ればいいのに…。」
「いえ…。部下たちが見ていますので…。」
「相変わらず真面目だね。ま、そういうところがいいんだけど…。」


座った途端、未来がウトウトしだす。


「寝かせてあげなさい。相当眠たいんだろう。玲奈のそばにいてひっぱりまわされていたんだから…。」


ほんとそう…。ずっと玲奈ちゃんに付き合っていた未来。嫌な顔をせずにね。


 さ、待ちに待った抽選会。抽選会開始の音に起きる未来。また抽選券を握りしめて、番号を呼ばれるのを待つ。まずは一般客から。一般客最後の番号に反応する大叔父さん。


「おやおや…。当たってる。」


すると周りの隊員たちはおだてるわけ。残念そうにする未来。


「じゃ、未来君。おじさんと行こう。玲奈もおいで…。」


と、二人の手を引っ張って、中央部へ。抽選券の番号を確認。そして名前を聞かれる。


「えー。源雅斗です。65歳。10年ほど前から5年ほどここで幹部自衛官をしていました。ま、若いころここの普通科連隊小隊長をしておりましたが…。」
「あ、もしかして…!」
「まあまあ…詳しいことは内緒にしておいてください。」


もちろん周りでは、「元総監!」「元統幕長!」などと声援に近いものが出ているわけ。


「源元陸将!ぜひ若い隊員たちに喝を入れてやってくださいませんか?!」


という言葉に、しぶしぶ演説チックなことをする大叔父さん。ま、言葉的にはとても役に立つありがたい言葉。簡潔に話していただけたのも助かる…。賞品を受け取って、戻ってきた大叔父さん。少しため息。お疲れかな?


 結局隊員の抽選では僕を含め、衛生隊員が半分を占め、他のところから野次を飛ばされた。もちろん僕の時には未来と一緒に取りに行ったんだけどね。未来はそれだけでも満足げ。家へ帰った途端、お風呂へ入る間もなく、眠ってしまったのは言うまでもない…。