ミラー! (626)宴会 | 超自己満足的自己表現

ミラー! (626)宴会

 宴会も中盤のころ、雅美の携帯へ電話がかかる。相手は雅美の弟。源雅哉2等海尉。3カ月の海外派遣だったらしい。昨日帰港予定が今日になってしまった。


「今どこよ。へ、東京の実家?さっき着いたの???」
「午前中に横須賀へ入港したんだ。やっといろいろ片づけて今実家へ着いたとこ。姉貴どこに居んの?兄貴は?兄貴いないって母さん言ってたけど…。」
「今遠藤3佐の家。春斗の弟の家よ。みんなで宴会しているのよ。」
「え?そうなん???なんで俺を呼んでくれんかった?」
「出港中で連絡取れなかったのよ。昨日帰港していると思ってたのに…。今から来る?家わかるよね?」


今から来るって話。明日のセレモニーは午後からだから、ゆっくりしててもいいと思うけどね…。



30分くらいしたあと、雅美の弟がやってきた。荷物いっぱい抱えて。まるで泊る気満々。ま、お兄さんも泊まるし、源家にいても邪魔だしね。セレモニーの準備とかでご両親は忙しそうだし…。



源家の3兄弟が揃う。陸海空…。明日、3人揃って花束を渡すらしいよ。泣くだろうねきっと…大叔父さんの事だから。


 ワイワイガヤガヤと夜遅くまで色々情報交換をしながら話した。陸海空が揃うとやはりいろんな話が聞ける。陸は知っているけれど、そのほかはなかなかね。



色々話しているうちに、明日のセレモニーのことになる。花束は準備してくれるらしいけれど、手順が今一つ分からない。ま、それは市ヶ谷に着いてからわかることで…。ああじゃないのこうじゃないのといろいろ話す。


「あ、遠藤君。明日、お隣の遠藤元総理も来る?」
「ええ。父にとって叔父にあたりますし、元防相ですからね。招待状が来ていたみたいです。ちょうど国会もありませんし、表立ったポストにも就いてません。」
「そっか…。大変だね。お隣もバタバタかあ…。」
「ま、そういうのに慣れていますし、大丈夫ですよ。それよりも最近暑いのに、礼装って嫌ですね…。」


というと、雅美が笑う。


「何いってんの?遠藤。私なんか妊婦だから暑いってなんの…。マタニテイーだし…。変な礼装…。お兄ちゃんも遠藤も佐官だからいいよね…かっこいいもの…。雅哉は黒だから見栄えもいいし…。羨ましいわ。」


などと愚痴をこぼす雅美に春斗はいろいろ突っ込む。春斗は空自医官を退官したから、制服じゃない。そういえばそうだよ。春斗の突っ込みと、程よい酔いのせいか、その場は大盛り上がりで、いつの間にか宴会はお開きになった。