ミラー! (619)GW
GW真っ最中。もちろん僕は休みを取って帰省。お約束通り、優希のGFである歩ちゃんが、いっぱいおしゃれして我が家へ遊びに来た。優希も朝から緊張して、美里がコーデイネイトした服を着てTDLへ遊びに行った。
歩ちゃんがやってくる前日。遂に優希がこの僕にいろいろ聞いてきた。といっても僕は恋とかそういうのに対して経験が少ないからね…一般的な話をしただけなんだけど…。
「僕さ…ずっと歩ちゃんが気になってさ…。これってさ…。どうなんだろうね。」
「優希。ほんとは好きなんだろ?もしかして初恋かな?」
「わかんないよ。でもね、歩ちゃんと電話したらドキドキするし、メールのやり取りなんかも楽しいし…。」
「ま、大切にするんだぞ。本当にパパがついていかなくても大丈夫?」
「うん。何度か友達と行ったことあるし…。大丈夫だよ。」
とにこやかに笑う優希。僕は優希にお小遣いをあげて男同士の話をする。
ああ、こういう話をするようになったんだなあと実感。未来もこの僕に、こういう話をしてくれるんだろうか?いまだお父さんは違うと思っているから、心からこういう話をしてくれないんじゃないかと思ったりする。
優希と歩ちゃんは、朝から夕方までめいいっぱい遊んで帰ってきた。そして夕飯を食べるとすぐに、歩ちゃんは疲れたのか、美紅と一緒に眠った。美紅もお姉ちゃんができてとてもうれしいみたいだ。お姉ちゃんお姉ちゃんと喜んでいた。
「ほんと女の子って可愛いわ。」
と美里が後片付けをしながらつぶやく。
「そうだね。女の子一人増えると家が明るくなるね。特に歩ちゃんはかわいいし。美里から見てどう思う?いろんなかわいい子見ているでしょ?」
「そうね。ほんとかわいい子よね。モデルとかできそうだけど、でもあの子はそういう道へ行かないほうがいいと思うわ。」
「どうして?」
と聞くと、美里は苦笑して何も言わなかった。たぶん裏の何かがあるんだろうけど…。色々噂で耳へはいってくるし…。そのことかな?
「ところで明日、歩ちゃんを空港まで送ったら、子供たちを預けて表参道のお父さんの会社へ行くんでしょ?」
「うん。美里も来てほしいって。なんかの企画で呼ばれてるみたい…やだな…またマスコミ。」
「ほんとマスコミ嫌いよね?春希さん。でもねえ…。」
わかっているって。女優を妻に持つ以上、露出があることくらい…。僕ってそういう運命なのかな?
はあ…って思いながら、ソファーに座りながら雑誌を読んでいた。