ミラー! (599)新婚生活開始
たまりたまった代休を消化するために、1週間休みをとっている。まあ言う新婚旅行へ行くためにっていいたいけれど、新婚旅行は、夏まで待つことにした。
妻の故郷信州へ、夏行く時の為にとっておく。あちらでも結婚式をするしね。本当に美里のおばあちゃんは、信州での結婚式を楽しみにしているって、さっき電話して聞いた。
3月5日、朝一番に市役所へ婚姻届を提出することになっている。もうきちんと必要書類は整っているしね。
「ねえ、お父さん。休みの日にどこか連れて行って。」
と未来がねだる。そうだねえ…。でもねえ…。すると美里がこう答える。
「未来、ごめんね。ママが芸能人だし、パパも未来も一般の人だから、あまり遊びに行けないの。特にパパとママが結婚したところでしょ?余計によくないと思うのよ。これは未来の為でもあるのよ。そして未来の大好きなパパの為でもあるの。わかる?」
未来はしょんぼりして頷く。もちろん未来は今まで女優の息子として生活しているから、美里のいうことも分かっている。でも甘えたいんだろうね。
「美里。じゃあさ、僕が未来を連れてドライブでも行ってくるよ。美里はゆっくりしていたらいいから。荷物の整理とかもあるでしょ?」
美里は「え?」っていう表情でこの僕を見ると、微笑んだ。
「じゃ、春希さんに頼んでみようかな…。よろしくね。」
「任せておいてよ。六甲山でもどこか行ってくるよ。ね?未来。」
「うん!」
と言って未来は喜んだ。
次の日、3人揃って市役所へ婚姻届を出しに行く。もちろん家の周りや、市役所にちらほら怪しい人がいたけどね。無事に婚姻届が受理された。といってもここは仮住まいのところ。自宅は東京。本籍地でもないから、ちょっと時間がかかったけどね。提出した後、ついでだけど、未来の為にドライブへ行くことにした。六甲山へ行き、途中のホテルでランチをして、自宅へ戻ってきた。それだけでも未来は満足げだった。
「お父さん、ありがとう。未来、とても楽しかったよ。」
と、にこにこしながら車を降りる未来。その時、携帯が鳴る。相手は仕事関係だね。はあ…ちゃんと准尉に任せてあるんだけどな…。とりあえず自宅へ入って電話の続き。急ぎの用事じゃないけど、仕事開始の金曜日。この日は、民間病院派遣業務の日。朝一番でいいから元いた現場へ行って仕事があるらしいよ。ま、元いた駐屯地から病院は近いからいいんだけどね。病院の診察は9時からの予定。それまでに行って仕事だから…。家を6時くらいに出ないといけないかな?それは前の職場へ問い合わせればいいことだけどね…。
嗚呼やになるよね…せっかくの休暇に仕事の話。